第1章 2025/12/18 市場の動き
― なぜ下落相場でも「資産形成」は止まらないのか ―
2025年12月18日。
株式市場は冴えない流れを続けている。
この日は明確に、
世界の主要株価指数が軒並み下落する方向だった。
写真データが示す通り――
■ 米国市場:ダウ平均・ナスダック連鎖安
米国株式市場は今日も重たい動き。
ダウ平均:4日続落
日中で **▲228ドル(▲0.47%)**の下落
=短期のリスクオフが継続
特に目立ったのは、
AI関連銘柄の弱さだ。
株価指数だけを見ると単なる「調整」に見えるが、
その背景には構造的な変化がある。
AIバブル期に膨らんだ期待値が、
「値上がり前提」から
「現実の収益確定」へとシフトしつつあるからだ。
市場は今、
過熱感を冷やしつつ
次のフェーズへ足場を固めようとしている。
これは単なる下落ではなく、
「テーマ株の再評価」でもある。
■ 日本市場:弱気予測の波
そして日本株。
日経平均も、明確な下落予想で寄り付き弱含み。
これは米国市場の影響を強く受けた結果であり、
短期的な需給悪化感が露骨になっている。
ただしポイントは一つ。
日本市場は米国市場より遅れて動く。
つまり、
世界的なリスクオフは米国→日本の順で伝播する。
このパターンは歴史的に繰り返されている。
■ なぜ今、株価が下がっているのか
株価下落の理由を一言で言うと、
「インフレ期待とテクノロジー投資の評価の変化」
だ。
AI関連株は、これまで
未来の収益を先食いで見込む
株価は期待値先行が主体
という評価方法で膨らんできた。
だが今は違う。
AI利益は実際の回収局面へ
値動きは実需と決算に敏感
イベントドリブンの波動が増加
このパラダイムシフトは、
単純な下落ではない。
むしろ「正常化のプロセス」だ。
■ トレンド vs ノイズ
株式投資の世界では、
よくこう言われる。
「株価の上げ下げを読むな。時間を味方につけよ」
だがこれもまたバイアスだ。
実際はこうだ。
価格は短期で読めない
トレンドは長期で形成される
ノイズは常に存在する
だから重要なのは、
値動きそのものを目的にしないこと
今回のような下落は、
ノイズに過ぎない。
本質は、
市場が資本主義の新しい評価方法を模索していること。
■ 株価下落の「構造的背景」
なぜこの下落が起きているのか。
それは以下の複合要因だ。
① FRBの金融政策
利上げ観測 → 利下げ期待 → 金利の変動
これが、
「リスク資産の価格形成」を揺さぶっている。
写真データにもあるように、
米国債10年利回りなどの異変は
市場全体の重石になっている。
② AI利益の調整
AI関連株は今年大きく売られた後、
反発と再評価を繰り返している。
テクノロジー株全体が
「リスク資産=利回り期待」
から
「実需株=収益確定」
へと移行しつつある。
これが、ナスダックの重さとして表れている。
■ 短期下落 = 長期評価のリセット
今回のような短期下落は、
必ずしも悲観の証明ではない。
投資の世界では次のように定義される。
短期下落とは、
未来の不確実性が減った瞬間の価格調整である。
不確実性が減れば、
市場は価格を再計算する。
今の下落は、
その再計算プロセスだ。
短期トレーダーは逃げる。
長期投資家は残る。
■ それでも資産形成は止まらない
ここが一番大事なポイントだ。
株価が下がっても、
資産形成は止まらない。
なぜか?
TSYYのように
→ 分配金が入る仕組み
不動産のように
→ 家賃が入る仕組み
年金のように
→ 自動積立が進む仕組み
これらは、
価格変動というノイズに左右されない。
株価の上下はただの「波」だが、
キャッシュフローは実態であり、生活になる。
■ 株価下落時の本当のチャンス
短期の下落を見たとき、
人は不安になる。
しかし、投資戦略としてはこう考えるべきだ。
価格が下がるのは安く買えるチャンスではなく、
期待値の再評価機会である。
正しい評価とは、
安いから買う
高いから売る
感情ではなく事実で判断する
これが、
下落相場でも「冷静な資産戦略」を維持する条件だ。
■ 今回の下落のポイント整理
今回の下落には、
単なる値崩れではなく以下の意味がある。
- AI評価の現実化
- テクノロジー株の再評価
- 金利変動によるリスク資産の再構築
- 人々の期待値の修正
これらが重なり、
株価は短期的に下に押されている。
しかし、
これは「新しい市場の形成過程」でもある。
■ 下落相場で勝つ人の思考法
下落相場で必要なのは、
「耐える心」ではなく、
構造的優位を見抜く眼だ。
株価下落は、
その眼を鍛える最良の環境になる。
なぜなら、
ノイズが多い
情報が錯綜する
感情が揺れる
こういうときに、
本質的な価値判断が磨かれる。
短期の値動きは、
読もうとしても読めない。
しかし、
キャッシュフロー
配当・分配金
実需に基づく収益
時間による複利
これらは必ず残る。
短期ノイズに惑わされない者だけが、
長期勝者になり得る。
第2章 社畜の総資産の動き― 8,200万円あっても「安心できない理由」を言語化する ―
2025年12月18日現在。
私の総資産は、約8,200万円に到達している。
数字だけを見れば、
「もう十分では?」
「守りに入ってもいいのでは?」
そう言われる水準だ。
だが、正直に言う。
私はまだ“安全地帯”にいる感覚はない。
■ 総資産8,200万円の内訳
まず、感情を抜きにして、
数字をすべて並べる。
不動産:4,000万円
株式(TSYY):約2,000万円
年金・確定拠出年金等:2,000万円
現金・暗号資産:数百万円
総計:約8,200万円
ここで重要なのは、
「いくらあるか」ではなく、
どれだけ“自由に使えるか”
という視点だ。
■ 実際に今すぐ使える資産は少ない
この8,200万円のうち、
不動産 → すぐ売れない
年金 → 今は使えない
TSYY → 売ればキャッシュになるが、戦略上は売らない
つまり、
本当に“即応性のあるお金”は数百万円しかない
この事実が、
資産が増えても不安が消えない理由の一つだ。
■ 社畜にとって最大のリスクは「収入の停止」
私は一部上場企業で10年以上働き、
転職も2回経験してきた。
月の手取りは、
賞与を平均化すると約95万円。
数字だけ見れば高収入だ。
だが、この収入には
致命的な弱点がある。
会社に行けなくなった瞬間、ゼロになる
病気、メンタル不調、配置換え、
人間関係の悪化。
どれか一つでも崩れれば、
キャッシュフローは即座に止まる。
■ 資産形成を始めた理由は「自由」ではない
よく誤解されるが、
私は最初から「自由になりたい」と思って
投資を始めたわけではない。
本音はもっとシンプルだ。
逃げ道が欲しかった。
・辞めても即死しない
・休んでも破綻しない
・評価が下がっても耐えられる
この3つを満たすために、
資産を積み上げてきた。
■ 総資産が増えると不安も進化する
資産0円の頃の不安は単純だった。
家賃が払えない
生活費が足りない
だが、資産が増えると、
不安の質が変わる。
この資産配分で本当にいいのか
集中しすぎていないか
一つ壊れたら連鎖しないか
不安は消えない。形を変えるだけだ。
■ 株式比率を意図的に抑えている理由
私は株に全振りしていない。
TSYYに2,000万円投資しているが、
それでも総資産比率は約24%。
これは偶然ではない。
社畜は、株で人生を賭けてはいけない
なぜなら、
すでに「労働」というリスクを背負っているからだ。
■ 不動産と年金は「鈍い資産」
不動産と年金には、
共通点がある。
値動きが遅い
情報が少ない
面白くない
だが、その代わりに、
心を揺さぶられない
という圧倒的なメリットがある。
株価アプリを開いて
一喜一憂しない日があるだけで、
人生の消耗度は激減する。
■ 資産配分は「性格」と「職業」で決まる
投資本にはよくこう書いてある。
「若いうちはリスクを取れ」
だが、これは半分しか正しくない。
メンタルが強い人
収入が安定している人
代替スキルがある人
こういう人だけが、
フルリスクを取れる。
社畜は違う。
会社依存が高い人間ほど、
資産は分散すべきだ。
■ 私が目指している資産の状態
私が理想としているのは、
株が下がっても生活は変わらない
会社が不安定でも判断を誤らない
キャッシュフローが複数ある
つまり、
「焦らなくていい状態」
これを作るために、
TSYYも不動産も年金も
すべて同時に積み上げている。
■ 資産額よりも大事なもの
8,200万円という数字よりも、
私が大事にしているのは、
判断力
体調
メンタルの安定
これらが崩れれば、
資産は一気に毀損する。
逆に言えば、
判断力が残っていれば、
何度でも立て直せる
■ この章の結論
この章で伝えたかったのは一つ。
総資産は「安心」をくれない。
だが「選択肢」は確実に増やす。
私はまだゴールにいない。
だが、
詰んでいない状態には入った。
それだけで、
資産形成を続ける価値は十分にある。
第3章 TSYY戦略を全て公開
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TSYYの動き|2万株・含み損80万円でも戦略が崩れない理由
- なぜ今、TSYYを主軸に据えているのか
私の株式資産の中核は、はっきりしている。
**グラナイトシェアーズ・イールドブースト・テスラETF(TSYY)**だ。
2025年12月18日時点での状況はこうだ。
TSYY保有:20,000株
投下資金:約2,000万円
含み損:約80万円
評価額:約1,900万円前後
分配金:週あたり約38万円ペース
年間換算分配金(税引後):約2,258万円規模
価格は6ドル前後で推移し、
月足・週足を見ても値動きはヨコヨコ。
一方で、分配金だけは淡々と積み上がっている。
ここが重要だ。
株価が上がらない=失敗
ではない。
キャッシュフローが回っているかどうか
それだけを見ている。
- TSYYの値動きが「テスラと一致しない」理由
多くの人が混乱するポイントがここだ。
テスラ(TSLA)が▲3%下落
なのにTSYYは▲0.7%程度
「連動してないじゃないか?」
そう思う人は多い。
しかし、TSYYはテスラ株そのものではない。
TSYYの正体はこうだ
テスラ株を原資産にした
カバードコール戦略型ETF
値上がり益の一部を放棄する代わりに
オプションプレミアムを分配金として受け取る
つまり、
テスラが急騰 → 上昇は限定的
テスラが下落 → 下落は緩和されやすい
という鈍重だが安定した構造になっている。
これは「欠陥」ではない。
設計思想そのものだ。
- 含み損80万円をどう捉えているか
正直に言う。
含み損80万円は、気にしていない。
理由は単純だ。
1週間で入る分配金:約38万円
2週間で:約76万円
3週間で含み損を“キャッシュで相殺”できる
評価損は数字だが、
分配金は現金だ。
しかも、
生活費には使わない
再投資 or キャッシュ温存
このルールを徹底している。
評価額が下がっても、
生活は1ミリも困らない。
これが、
「価格依存型投資」と
「キャッシュフロー型投資」の
決定的な違いだ。
- なぜ2万株で一旦止めたのか
2025年12月17日、
私は1,000株を追加して2万株に到達した。
ここで一旦、買い増しは止めている。
理由は3つ。
① キャッシュが枯渇するラインだから
投資とは、
「全部突っ込んだら勝ち」ではない。
動ける余力があること
これ自体がリスクヘッジだ。
② 分配金だけで十分すぎる
週38万円という数字は、
サラリーマン月収の平均を
ほぼ1週間で超える水準
これ以上増やしても、
幸福度は比例しない。
③ 集中リスクを自覚している
TSYYは優秀だが、
万能ではない。
テスラ依存
オプション戦略依存
市場ボラティリティ依存
だからこそ、
**「ここからは横展開」**に移る。
- TSYYは「5年ヨコヨコ」でいい
私はこう考えている。
TSYYは
5年間、株価ヨコヨコでいい。
むしろ理想だ。
上がらない → コール売却が安定
下がりすぎない → 分配金が継続
ボラがある → プレミアムが厚い
一番おいしいゾーンは、
派手な上昇相場ではない。
「期待と不安が混ざった停滞相場」だ。
- TSYYは“目的”ではなく“装置”
ここが一番大事な考え方だ。
TSYYはゴールではない。
マネーフロー装置だ。
分配金 → キャッシュ
キャッシュ → 次の資産
次の資産 → さらに安定
私はこれを、
マネーフローシステム
と呼んでいる。
TSYYはその心臓部にすぎない。


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