第1章 社畜の総資産公開と“生き延びる戦略”
2025年10月13日。
総資産は 8,051万円。
不動産 4,820万円(59.9%)、年金 1,967万円(24.4%)、預金・暗号資産 1,192万円(14.8%)、株式(現物) 69万円(0.9%)。
この数字は単なる“金額の集計”ではない。
社畜として生きる者が、インフレと税、そして会社という構造的な搾取システムとどう戦うかを示す 「生存の記録」 である。
現代の日本社会では、働いても豊かになれない。
給与所得の伸びは長期停滞し、税と社会保険料の上昇がそれを相殺する。
一方で、資本所得――つまり「資産からの収入」は指数関数的に増えている。
トマ・ピケティが『21世紀の資本』で示した有名な式
r > g(資本収益率が経済成長率を上回る)
が、この社会の構造的不平等を決定づけた。
働く者(労働)より、持つ者(資本)が強い。
そして社畜の私は、それを受け入れた上で「資本家に近づく」側へ一歩踏み出した。
第2章 不動産という“リアル資本”――キャッシュフロー34万円の真実
不動産は、資本主義の最古にして最強の武器である。
アパート1棟(1,600万円)と戸建て3戸(1,900万円)、合計で約 3,500万円規模。
月間キャッシュフローは 34万円。
しかし、これは“完全な不労所得”ではない。
修繕費、税務処理、管理会社との交渉、入居対応――そのどれもが時間を奪う。
アパート経営は、労働と投資の中間にある「半資本・半労働」の世界。
ただし、インフレ時代において、この“半資本”が決定的に効いてくる。
モノの価値が上がれば、実物資産の価値も上がる。
つまり、不動産は「インフレヘッジ」であり、「時間の銀行口座」でもある。
私の不動産戦略はシンプルだ。
キャッシュフローを最大化することではなく、長期保有で“現金の減価”を防ぐこと。
たとえ空室が出ても、地価の上昇がそれを吸収する。
今年中に自宅売却を完了し、キャッシュ1,800万円を確保。
次の一手は、このキャッシュを 金融資本(ETF) へ転換することだ。
第3章 金融資本主義の本質――ETFとr>gの構造的優位
2020年代後半、世界は「r>g」の最終局面に突入している。
インフレ率が高止まりし、中央銀行が金利を引き上げても、資本市場は膨張を続ける。
なぜか。
理由は単純だ。
資本は、貨幣そのものを“自己増殖する装置”に変えたからである。
私はキャッシュ1,800万円を、
・JEPQ(JPモルガン・ナスダック米国株式・プレミアム・インカムETF)
・IGLD(ファーストトラスト・ゴールド戦略ターゲットインカムETF)
へそれぞれ900万円ずつ配分する計画を立てている。
JEPQはハイテク株に分散しつつ、オプション売却で安定的な配当を生む。
IGLDは金価格に連動し、インフレヘッジ効果を持つ。
両者の組み合わせにより、株価上昇局面ではJEPQが、インフレ局面ではIGLDが守る。
つまり、r(資本収益率)を“リスク調整後で最大化”する戦略だ。
毎月の配当は 約15万円 を見込む。
これはアパートのキャッシュフロー(34万円)と合わせて、月49万円の準不労所得。
給与所得に頼らず、資本が労働を補完する段階へ入る。
第4章 インフレとデフレの狭間で――円資産の危うさと米ドル資産の強さ
いま、円の購買力は静かに侵食されている。
物価上昇率3%、実質賃金−2%、つまり“名目プラス実質マイナス”という二重構造。
この状況下では、「円を持つこと」自体がリスクだ。
インフレ率(2〜3%)が定期預金金利(0.002%)を上回るかぎり、現金は確実に目減りしていく。
そこで必要なのが、デフレ思考からインフレ思考への転換。
支出を抑えるだけではなく、“価値が上がるものを持つ” ことが防衛策となる。
私は不動産、ETF、暗号資産の三層構造でそれを実践している。
暗号資産の評価損益は −389,041円。
依然としてボラティリティが高いが、イーサリアム(+97,816円)、ビットコイン(+25,861円)が徐々に回復。
ここにもr>gの構造が存在する。
世界経済の成長率(g)が2〜3%に留まる中で、暗号資産市場は常に10〜20%のボラティリティを孕む。
資本はリスクを取る者に報いる仕組みを内蔵しているのだ。
第5章 社畜の逆襲――健康・キャッシュ・静かな退職
労働の現場では、今も「言葉の圧力」と「感情の衝突」が絶えない。
挑発してくる上司、誤魔化しのうまい同僚、責任を押し付ける組織。
しかし、私はもう真正面から戦わない。
「静かな退職」 を選ぶ。
本当に戦うべきは、他人ではなく「時間と制度」だ。
会社を敵に回すのではなく、制度を味方にし、時間を味方にする。
ウォーキング30,274歩、体重78kg、血圧115/59。
1日4,038kcal消費、睡眠5時間38分。
これが、社畜が“自分の肉体を資産化”する数値である。
人は、労働資本・金融資本・健康資本の三つを持つ。
このうち一つでも崩れれば、人生の収益率は下がる。
だから私は、筋トレと散歩でrを上げる。
金利ではなく、代謝の意味で。
そして、こう誓う。
会社に時間を奪われても、人生の配当は自分で決める。
その意志こそが、資本主義の中で最も強い“人的資本”である。
📘 結語
インフレ、金利、賃金停滞、税負担、AI化――。
この社会は社畜にとって、かつてないほど過酷だ。
だが、資本の仕組みを理解し、健康を維持し、感情を制御できれば、
「資本主義と闘う社畜」は、勝ち残る少数派 になれる。(了)



コメント