丸亀製麺のトリドールホールディングスの凄さ!! | 40代社畜のマネタイズ戦略

丸亀製麺のトリドールホールディングスの凄さ!!

株式投資
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  1. 第1章:トリドールホールディングスとは何者か?企業の全貌を解剖する
      1. まえがき
    1. 「うどん屋」ではない、多国籍飲食カンパニーへ
    2. 1.1 創業の原点は「焼き鳥」だった
    3. 1.2 丸亀製麺の大ブレイクとその後の展開
    4. 1.3 トリドールグループの多角化
    5. 1.4 企業理念とビジョン
    6. 1.5 海外戦略のリアル
  2. 第2章:丸亀製麺だけじゃない?多角化戦略とグローバル展開
    1. 2.1 丸亀製麺の限界とその先へ
    2. 2.2 トリドールの代表的な業態展開
      1. ■ Kona’s Coffee(コナズ珈琲)
      2. ■ 天ぷら まきの
      3. ■ 豚屋とん一/長田本庄軒/ラー麺ずんどう屋
      4. ■ 譚仔三哥米線(タムジャイサムゴー)
    3. 2.3 M&Aによる「多国籍化」
    4. 2.4 トリドールの海外売上構成比と目標
    5. 2.5 多角化とコングロマリット化のバランス
  3. 第3章:創業社長・粟田貴也の人物像と経営哲学
    1. 3.1 粟田貴也――元バンドマンからうどんチェーンの雄へ
    2. 3.2 経営方針:現場主義とスピード感
    3. 3.3 失敗と反省――2017年の不振とその後
    4. 3.4 海外視点と“未来の外食”を描く思考
    5. 3.5 「粟田ブランド」は投資家にとってどう映るか
  4. 第4章:配当利回り・優待制度・株主メリットの全貌
    1. 4.1 トリドールの配当政策――「成長投資」と「株主還元」のバランス型
    2. 4.2 株主優待の内容と使い勝手
    3. 4.3 配当+優待の“総合利回り”は実は高い
    4. 4.4 配当・優待の今後の見通しと懸念
  5. 第5章:株価の動向・上昇要因と現在の水準分析
    1. 5.1 株価の長期推移とコロナ禍の教訓
    2. 5.2 株価上昇の主な要因
    3. 5.3 現在の株価水準の評価
    4. 5.4 チャートテクニカルの観点から
  6. 第6章:中期経営計画の中身と実現可能性
    1. 6.1 「グローバルうどんチェーン構想」とは
    2. 6.2 実現に向けたアクションプラン
    3. 6.3 現在の進捗と課題
    4. 6.4 投資家が見るべき注目ポイント
  7. 第7章:競合企業との比較分析
    1. 7.1 外食産業のなかでのトリドールのポジション
    2. 7.2 数値で見る競合比較(2024年度)
    3. 7.3 戦略とブランドの違い
      1. 丸亀製麺(トリドール)
      2. サイゼリヤ
      3. スシロー
      4. 吉野家・すき家(ゼンショー)
    4. 7.4 今後の勝負どころは「健康」「サステナビリティ」
    5. 7.5 投資家視点での差別化ポイント
  8. 第8章:株価の推移と今後の見通し
    1. 8.1 株価のこれまでの推移
    2. 8.2 株価上昇のドライバー
      1. ① 既存店売上高の好調
      2. ② 国内外の出店戦略
      3. ③ 業績の継続的成長
      4. ④ インフレ耐性とコスト対応力
    3. 8.3 テクニカル分析からの考察
    4. 8.4 今後のリスク要因
    5. 8.5 中長期投資家へのアドバイス
  9. 第9章:投資判断――買いか、売りか、様子見か
    1. 9.1 現在の株価水準と投資家心理
    2. 9.2 買いを推奨できる理由
      1. ① 業績の伸びに裏打ちされた株価
      2. ② 外食産業の中でのユニークポジション
      3. ③ 株主還元の姿勢の強化
      4. ④ 海外市場のポテンシャル
    3. 9.3 様子見を推奨するケース
    4. 9.4 売りを検討するタイミング
    5. 9.5 投資戦略まとめ
  10. 第10章:ファン投資とESG経営の可能性
    1. 10.1 ファン投資という新しい投資潮流
    2. 10.2 ESG経営への転換と未来
      1. 環境(Environment)
      2. 社会(Social)
      3. ガバナンス(Governance)
    3. 10.3 ファンとともに成長する「経営ストーリー」
    4. 10.4 「ESG×ファン投資」が生む未来の株主像
    5. 10.5 総まとめ:長期投資家へのメッセージ
      1. あとがき
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第1章:トリドールホールディングスとは何者か?企業の全貌を解剖する

まえがき

「飲食業のテンバガー候補」として注目を集めるトリドールホールディングス。
本書では、うどんチェーン「丸亀製麺」だけでない、企業の全貌と成長戦略、そして個人投資家がどう向き合うべきかを徹底的に分析します。
店舗の裏側、財務の強さ、海外進出の意義まで、「企業研究」と「投資判断」を一体化した内容です。
トリドールが描く未来を、一緒に見ていきましょう

目次

第1章:トリドールホールディングスとは何者か?企業の全貌を解剖する

「うどん屋」ではない、多国籍飲食カンパニーへ

1.1 創業の原点は「焼き鳥」だった

1.2 丸亀製麺の大ブレイクとその後の展開

1.3 トリドールグループの多角化

1.4 企業理念とビジョン

1.5 海外戦略のリアル

第2章:丸亀製麺だけじゃない?多角化戦略とグローバル展開

2.1 丸亀製麺の限界とその先へ

2.2 トリドールの代表的な業態展開

2.3 M&Aによる「多国籍化」

2.4 トリドールの海外売上構成比と目標

2.5 多角化とコングロマリット化のバランス

第3章:創業社長・粟田貴也の人物像と経営哲学

3.1 粟田貴也――元バンドマンからうどんチェーンの雄へ

3.2 経営方針:現場主義とスピード感

3.3 失敗と反省――2017年の不振とその後

3.4 海外視点と“未来の外食”を描く思考

3.5 「粟田ブランド」は投資家にとってどう映るか

第4章:配当利回り・優待制度・株主メリットの全貌

4.1 トリドールの配当政策――「成長投資」と「株主還元」のバランス型

4.2 株主優待の内容と使い勝手

4.3 配当+優待の“総合利回り”は実は高い

4.4 配当・優待の今後の見通しと懸念

第5章:株価の動向・上昇要因と現在の水準分析

5.1 株価の長期推移とコロナ禍の教訓

5.2 株価上昇の主な要因

5.3 現在の株価水準の評価

5.4 チャートテクニカルの観点から

第6章:中期経営計画の中身と実現可能性

6.1 「グローバルうどんチェーン構想」とは

6.2 実現に向けたアクションプラン

M&Aと業態開発の併用

現地化(ローカライゼーション)

DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進

人材戦略の強化

6.3 現在の進捗と課題

原材料高と物流の混乱

海外人材の定着率

本業以外の分散投資

6.4 投資家が見るべき注目ポイント

第7章:競合企業との比較分析

7.1 外食産業のなかでのトリドールのポジション

サイゼリヤ

吉野家ホールディングス

スシロー(FOOD & LIFE COMPANIES)

コメダホールディングス

モスフードサービス

7.2 数値で見る競合比較(2024年度)

7.3 戦略とブランドの違い

7.4 今後の勝負どころは「健康」「サステナビリティ」

健康志向(高タンパク・低糖質)

エシカル消費(脱プラ、地産地消)

透明性(原産地・原材料)

デジタル接点(アプリ、サブスク)

7.5 投資家視点での差別化ポイント

第8章:株価の推移と今後の見通し

8.1 株価のこれまでの推移

コロナ収束による実店舗回復

インバウンド需要の再拡大

海外展開(特にアジア圏)への期待

創作うどんや新業態への取り組み

8.2 株価上昇のドライバー

8.3 テクニカル分析からの考察

8.4 今後のリスク要因

8.5 中長期投資家へのアドバイス

第9章:投資判断――買いか、売りか、様子見か

9.1 現在の株価水準と投資家心理

割高感があるわけではない

過去のPER・PBR水準と比較しても妥当

EPS(1株利益)の成長によりPERの上昇リスクも小さい

9.2 買いを推奨できる理由

9.3 様子見を推奨するケース

9.4 売りを検討するタイミング

9.5 投資戦略まとめ

第10章:ファン投資とESG経営の可能性

10.1 ファン投資という新しい投資潮流

10.2 ESG経営への転換と未来

10.3 ファンとともに成長する「経営ストーリー」

国内の習慣食から、世界の体験食へ

日本のだし文化をグローバルに広げる企業へ

単なる外食企業ではなく、食文化のクリエーターへ

10.4 「ESG×ファン投資」が生む未来の株主像

10.5 総まとめ:長期投資家へのメッセージ

「うどん屋」ではない、多国籍飲食カンパニーへ

トリドールホールディングス――この社名を聞いてすぐに「丸亀製麺」と結びつく人は多いだろう。確かに、讃岐うどんの代表格として圧倒的なブランド力を誇る「丸亀製麺」は、トリドールグループの屋台骨である。

だが、2020年代に入ってからのトリドールを一言で「うどん屋」と言い切るのは、あまりにも視野が狭い。もはや同社は、和洋中、カフェから焼鳥、カレー、海外外食までを束ねる“グローバル飲食企業グループ”と呼ぶべき存在だ。

1.1 創業の原点は「焼き鳥」だった

トリドールの創業は1985年。兵庫県加古川市で粟田貴也氏が始めた焼き鳥店「トリドール三番館」がルーツである。「トリドール」という社名も、この焼鳥屋の屋号に由来している。

バブルの余韻を残す80年代後半から90年代初頭にかけて、外食産業は多様化と差別化の時代に突入する。トリドールは焼鳥店から業態転換を重ね、1995年に現在の主力業態となる「セルフうどん業態」へと進出。ここで誕生したのが「丸亀製麺」である。

1.2 丸亀製麺の大ブレイクとその後の展開

丸亀製麺の特徴は、店舗ごとに製麺機を設置し、客の目の前で麺を茹でる“臨場感ある演出”だ。「打ちたて・茹でたて・締めたて」を掲げ、セルフ方式で価格を抑えつつ、職人の手仕事感を提供するスタイルが話題を呼び、2000年代にかけて急拡大を遂げる。

特に2006年の東証上場以降は、丸亀製麺の出店攻勢が加速。2010年には店舗数が500を突破、現在では国内約850店舗、海外約270店舗を展開するまでに成長している。

1.3 トリドールグループの多角化

丸亀製麺の成功を背景に、トリドールは飲食業界内での「M&A戦略」に打って出る。過去10年で同社が手掛けた業態には以下のようなものがある。

焼鳥「鳥と酒 ふくなが」

カレー「コナズ珈琲」

ハワイアンカフェ「Kona’s Coffee」

台湾発「段ボール鍋」

香港発「譚仔三哥米線」など

また、英国のベーグルチェーン「ベーグルマンション」や、オーストラリア発の「ザラメ」など、海外ブランドの買収・提携も積極的に行っている。

ここにきて同社は“うどん屋”から“飲食事業のマルチプラットフォーマー”へと進化しようとしているのだ。

1.4 企業理念とビジョン

トリドールの掲げるスローガンは「食の感動を創造し続ける」。これは単に美味しいものを提供するという意味にとどまらない。

創業者の粟田社長は「お客様に喜んでもらう体験そのものを商品にする」という哲学を掲げており、単なる外食企業ではなく“体験提供業”という立ち位置を強く意識している。

この方針は、スタッフ教育や接客、店づくり、BGM、匂いの演出、デジタルマーケティングにまで及んでおり、「来店すること自体が楽しい」という空間づくりへのこだわりが随所に見られる。

1.5 海外戦略のリアル

トリドールは現在、世界10か国以上で展開を進めており、特に東南アジアと北米に注力している。

たとえば台湾・香港・シンガポールでは「丸亀製麺」の人気が高く、現地のファミリー層や若年層に浸透している。また欧州ではロンドン、北米ではロサンゼルスなど大都市圏で実験的な出店を行っており、和食需要の高まりを背景にした“輸出型うどん”の可能性を探っている。

同社は2030年までに世界6000店舗体制を目指すという目標を掲げており、日本発の飲食ブランドとしては稀に見るグローバル志向の強い企業だ。

第2章:丸亀製麺だけじゃない?多角化戦略とグローバル展開

2.1 丸亀製麺の限界とその先へ

丸亀製麺の成功はトリドールの成長を牽引したが、外食産業における単一業態依存には大きなリスクがある。特に、日本国内市場は人口減少・高齢化・食生活の多様化といった複数の構造的課題を抱えており、「うどん一本足打法」では限界が見え始めていた。

これにいち早く気づいたのが、創業者・粟田貴也社長である。2010年代後半以降、彼は「次の柱」を求めて、M&Aと業態開発を加速。2020年代には、多角化戦略がトリドールの本格的な成長ドライバーとなっている。

2.2 トリドールの代表的な業態展開

以下に、トリドールが現在展開する代表的な飲食ブランドを紹介する。

■ Kona’s Coffee(コナズ珈琲)

ハワイアンテイストのパンケーキカフェ。南国リゾートを思わせる外装と空間演出が好評で、郊外型ロードサイド店舗を中心に拡大中。「非日常感」や「映え」を重視したZ世代・ファミリー層の来店が目立つ。

■ 天ぷら まきの

揚げたての天ぷらをカウンター越しに提供する専門業態。丸亀製麺同様、ライブ感ある調理演出が人気。高齢層のリピートも多く、「天ぷら版 丸亀製麺」とも呼ばれる。

■ 豚屋とん一/長田本庄軒/ラー麺ずんどう屋

いずれも麺・粉ものをベースとした専門店。フードコートから郊外ロードサイドまで、出店フォーマットの幅広さが強み。

■ 譚仔三哥米線(タムジャイサムゴー)

香港発のスパイシー米線専門店。2021年にトリドールが買収し、グローバル展開を開始。スープの辛さと酸味を細かく選べる“カスタマイズ文化”が若年層に刺さり、シンガポール・日本でも店舗数拡大中。

2.3 M&Aによる「多国籍化」

近年のトリドールを象徴するのが、グローバルM&A戦略だ。特にアジアと欧州を軸に、現地の外食チェーンや新興ブランドを買収・資本参加している。

代表的な案件は以下の通り:

2021年:**香港譚仔國際(Tam Jai International)**の買収

2022年:**英国ベーグルチェーン「Bagel Factory」**の出資

2023年:タイ飲食企業との業務提携

このように、現地ブランドを買収することで「和食を輸出する」のではなく、「現地で勝つブランドを取り込む」スタイルにシフトしているのが特徴だ。

2.4 トリドールの海外売上構成比と目標

2024年3月期の段階で、トリドールの**海外売上比率は全体の約25%**に達している。これは5年前の約10%から倍増しており、経営層は「今後10年で売上の50%以上を海外で稼ぐ体制にする」と明言している。

出店ペースも加速中で、2024年は海外で新たに120店舗超を出店。主な進出国は以下のとおり:

台湾・香港・シンガポール

米国・英国

オーストラリア・ベトナム

2.5 多角化とコングロマリット化のバランス

ここまで多角化・国際化が進むと、企業としてのアイデンティティが曖昧になるリスクもある。しかしトリドールは、「食で感動を届ける」という軸をぶらすことなく、業態ごとの専門性と地域性を丁寧に尊重している。

各ブランドには独自のマーケティングチームが存在し、本社から一律に“日本流”を押しつけるのではなく、現地ニーズに即した「ローカライズ経営」が実践されている。

第3章:創業社長・粟田貴也の人物像と経営哲学

3.1 粟田貴也――元バンドマンからうどんチェーンの雄へ

トリドールホールディングスの創業者であり現代表取締役社長・粟田貴也(あわた・たかや)は、業界でも異色の経歴を持つ人物として知られている。大学卒業後に起業するも、最初は焼き鳥屋からスタート。そこから“うどん”という伝統的で地域性の強い業態へ進出したのは、決して順風満帆な道のりではなかった。

「食を通じて社会に貢献したい」。そうした想いから、1990年に神戸で立ち上げた焼き鳥店がトリドールの原点だった。やがて「安くて美味しいものを、誰もがライブ感を持って楽しめる空間で」という信念が丸亀製麺に結実し、現在のトリドール帝国へとつながる。

粟田氏は音楽活動経験者でもあり、独特のリズム感・感性をビジネスに活かすことで、型破りながらも緻密な経営を行ってきた。

3.2 経営方針:現場主義とスピード感

粟田氏の哲学の根底にあるのは、「現場に真実がある」という強い信念だ。実際、丸亀製麺を急拡大させた要因のひとつに、社長自らが全国店舗に頻繁に足を運び、オペレーションを観察してきた姿勢がある。

粟田氏は「本部で数字を見るより、現場で1杯のうどんを見た方が速い」と公言する。その結果、従業員との距離も近く、フランチャイズモデルではなく直営店中心主義という方針も徹底されている。これによりサービス品質の均質化や改革のスピードを維持してきた。

また、組織構造もフラットに保ち、若手や中途採用者がアイデアを出しやすい社風づくりに成功している。

3.3 失敗と反省――2017年の不振とその後

トリドールにも苦しい時期はあった。2017年度、丸亀製麺の既存店売上が鈍化し、一部のメニュー施策や価格設定が顧客離れを招いた。世間では「丸亀バブル崩壊」とも言われた。

このとき粟田氏は、自らの戦略ミスを率直に認め、メニュー開発や原点回帰の改革を即座に打ち出した。特に「店内製麺・打ちたて茹でたて」演出を強化し、うどんの“体験価値”を再訴求したことが功を奏した。

危機を乗り越えた後の経営方針はより鮮明となり、「多角化」「海外展開」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」といった柱を育てる原動力となった。

3.4 海外視点と“未来の外食”を描く思考

粟田氏は、単なる飲食業ではなく「食と体験の総合企業」を標榜している。今後の外食業界は“食べる”ことだけでなく、“感じる”“楽しむ”という要素が重要になるとし、「うどん×エンタメ」「パンケーキ×空間デザイン」といった業態設計にも積極的だ。

海外市場についても、「日本的なものを無理に売り込むのではなく、現地の感性と掛け合わせることが重要」と語っており、譚仔三哥(タムジャイ)やBagel Factoryの買収に見られるように、“ローカルグローバル戦略”を体現している。

3.5 「粟田ブランド」は投資家にとってどう映るか

2020年代後半、株式市場でも「粟田貴也=外食界の経営レジェンド」というイメージが浸透しつつある。特に、株主還元への姿勢・ガバナンス強化・IR情報の開示など、上場企業としての「信頼性」は高まり続けている。

また、カリスマ的な人物像だけでなく、数値管理に長けた実務型CEOとしても評価されており、これは投資家からの支持を受ける重要な要素だ。

第4章:配当利回り・優待制度・株主メリットの全貌

4.1 トリドールの配当政策――「成長投資」と「株主還元」のバランス型

トリドールホールディングスは、これまで株主還元と企業成長を両立させる“ハイブリッド型”の配当方針を採ってきた。明確に「配当性向30%」などの数値目標を掲げることは少ないが、「成長のための投資を優先しつつも、安定配当を継続する」という基本姿勢を示している。

直近の決算期(2024年度)は1株あたり36円(中間18円・期末18円)の配当を実施。配当利回りはおよそ1.0%台であり、いわゆる高配当銘柄ではないが、毎年安定的な増配傾向を見せている点は評価材料だ。

また、配当性向についても2024年度時点で約25%前後と保守的で、業績変動時にも柔軟に対応できる構造となっている。

4.2 株主優待の内容と使い勝手

トリドールの個人投資家に人気の大きな理由が株主優待制度である。年2回、保有株式数に応じて全国の丸亀製麺などで使える「食事割引券」が贈られる。

100株以上:3,000円分(年間)

200株以上:4,000円分(年間)

1,000株以上:10,000円分(年間)

長期保有者向けの追加優待:3年以上保有でさらに加算あり

この優待券は、全国すべての丸亀製麺をはじめ、トリドールグループの「コナズ珈琲」「豚屋とん一」などでも利用可能で、家族連れ・サラリーマン・学生など幅広い層に喜ばれている

メルカリなどの二次流通市場でも一定の価値があり、優待狙いの個人投資家を引き寄せる魅力となっている。

4.3 配当+優待の“総合利回り”は実は高い

単体での配当利回りは1%台とやや物足りないかもしれないが、優待の金額を加味した総合利回りで見ると、実は3~5%程度になる場合もある。特に100株保有(約30万円前後)の投資に対して3,000円相当の優待が加われば、投資効率としては決して悪くない。

優待と配当の“ダブルインカム構造”は、安定した現金フローを求める中長期投資家には非常にありがたい設計であり、インカムゲイン×外食体験というユニークな組み合わせを享受できる。

4.4 配当・優待の今後の見通しと懸念

ただし注意点もある。トリドールの成長ドライバーはあくまで「国内外の店舗拡大」と「M&A」であり、これらに資金を投じる必要があることから、配当利回りを急激に高めるような戦略には出づらい。また、業績が悪化すれば、配当や優待が見直される可能性もゼロではない。

2020年のコロナショック時にも一部の優待が変更されたことがあり、優待だけを目当てに投資するのはリスクが伴うことも意識しておく必要がある。

また、優待の拡充や継続の発表は株価の短期的な上昇トリガーにもなりやすく、IR情報には常に目を配っておくとよい。

第5章:株価の動向・上昇要因と現在の水準分析

5.1 株価の長期推移とコロナ禍の教訓

トリドールホールディングス(3397)の株価は、ここ10年で大きな山と谷を描きながらも、着実に上昇してきた。2014年ごろには1,000円を割っていた株価が、2021年には一時3,000円を突破。その後は新型コロナの影響により下落するも、2023年からは再び回復基調にある。

特に注目すべきは2020年3月の暴落期。飲食業界全体が打撃を受けた中、トリドールも店舗休業や売上減により株価が1,000円台前半まで急落。しかし、その後のデジタル対応やテイクアウト拡充、業態改革を通じて早期に黒字回復を果たし、投資家からの信認を取り戻した。

このV字回復は、**「危機耐性の高さ」と「ブランドの粘着力」**を証明するものだった。

5.2 株価上昇の主な要因

ここ数年の株価上昇を支える要素は以下の通り:

国内外の店舗数拡大:特に東南アジア・米国など海外市場への出店が評価されている。

デジタルシフトの成功:モバイルオーダー、キャッシュレス、アプリ活用などの施策で利便性を向上。

健康志向や麺ブームの追い風:丸亀製麺の“うどん=ヘルシー”というイメージが都市部で浸透。

原材料価格高騰にもかかわらず営業利益の回復:価格転嫁がスムーズに進んでいる証左。

さらに、SNSを活用したマーケティングや店舗限定メニューなどが若年層の関心を引き、リピーターの定着に繋がっている点も好材料である。

5.3 現在の株価水準の評価

2025年6月時点での株価は約3,300~3,500円前後で推移している。PER(株価収益率)は25~30倍、PBR(株価純資産倍率)は4倍超とやや割高にも見えるが、これは今後の成長を市場が織り込んでいるためと考えられる。

外食産業の中では“成長期待型”の銘柄として評価されており、単なるディフェンシブではなく攻めの飲食企業というポジションを築いている。

なお、株価は「優待拡充」や「好決算」などイベント要因で急騰しやすい傾向があるため、短期トレード対象としても個人投資家に人気がある。

5.4 チャートテクニカルの観点から

チャート的には、2023年中盤からの**“三角持ち合いを上抜ける形”が確認されており、再び3,500円を超えれば一段高への可能性もある**と見られている。RSI(相対力指数)も過熱圏に差し掛かってはいるが、上昇トレンドが崩れていない。

ただし、3,300円を割り込んだ際は一時的な調整局面に入るリスクもあり、買い増しタイミングの見極めが重要になる。

第6章:中期経営計画の中身と実現可能性

6.1 「グローバルうどんチェーン構想」とは

トリドールホールディングスが打ち出した中期経営計画の柱は、「世界一のうどんチェーン」構想である。目指すのは、単に日本国内での店舗網拡充ではなく、グローバル市場での存在感の確立である。

2022年に発表された中期経営計画(2025年度まで)では、以下のような数値目標が掲げられた。

連結売上高:2,000億円超

営業利益率:10%以上

店舗数:全世界1,500店舗(国内900・海外600)

海外比率:売上の30%以上を海外で

この数値目標の背景には、「うどん」というジャンルが世界的にまだ“未開拓”であり、ライバルの少ないブルーオーシャンであるという経営判断がある。

6.2 実現に向けたアクションプラン

計画達成のため、トリドールは以下の戦略を打ち出している。

M&Aと業態開発の併用

ベトナム、インドネシアでの現地チェーン買収や、米国でのラーメン・寿司チェーンとの連携。

焼き鳥、定食、寿司など多様な業態も展開し、多角的な成長を狙う。

現地化(ローカライゼーション)

丸亀製麺でも国ごとにメニューを最適化(例:辛味の強いアジア向けうどん、ベジタリアン向けなど)。

食文化を尊重しつつ、「うどんのポテンシャル」を最大限に引き出す。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進

モバイルオーダー・決済アプリ、デジタルサイネージなどを活用し、効率化と顧客満足度の両立を目指す。

サプライチェーン管理もAI導入により無駄のない発注・配送体制へ。

人材戦略の強化

海外においても「和の接客文化」を根付かせるため、日本式研修制度を現地に輸出

多国籍マネージャーの登用で、現地事情に柔軟に対応できる体制を構築。

6.3 現在の進捗と課題

現時点で、海外店舗数は目標の600店舗に対し、約420店舗程度に到達。特にアジア・アメリカ市場での出店が加速しており、計画に対する実行力は高い評価を得ている。

ただし、いくつかの課題も存在する。

原材料高と物流の混乱

世界的な物流逼迫により、食材・調味料の安定供給が不安定化。現地調達への切り替えが急務。

海外人材の定着率

高離職率が悩みの種。日本式の組織運営が海外で必ずしも機能しない場面も。

本業以外の分散投資

焼き鳥業態や異業種参入が成長エンジンとして機能するか、まだ時間を要する。

6.4 投資家が見るべき注目ポイント

投資家目線で注視すべきは、以下3点:

KPIの進捗
→ 特に海外売上比率、営業利益率に注目。これらが改善傾向にあるかどうかで将来の収益性が見えてくる。

外食トレンドの転換
→ ポストコロナの今、外食市場の「回帰」は追い風。だが、低価格帯・健康志向の競合も増えているため、差別化戦略の継続性が問われる。

人件費と物価上昇の両面圧力
→ 海外では人件費が高騰している。値上げを顧客が受け入れるかどうかの“価格弾力性”が試される。

第7章:競合企業との比較分析

7.1 外食産業のなかでのトリドールのポジション

トリドールホールディングスは、国内外食業界の中でも「和食ファストカジュアル」の代表格として独自のポジションを築いています。特に、丸亀製麺を軸とした“うどん”というニッチジャンルにおいては、競合が少なく、高いブランド力を誇ります。

一方で、事業展開・経営スタイル・成長性という観点では、以下のような企業と比較されることが多いです。

ゼンショーホールディングス(すき家、なか卯、ココスなど)

サイゼリヤ

吉野家ホールディングス

スシロー(FOOD & LIFE COMPANIES)

コメダホールディングス

モスフードサービス

それぞれ異なる業態ではありますが、同じく「外食チェーン」であり、「グローバル展開」「利益体質」「価格戦略」「コロナ禍の対応力」などが比較材料となります。


7.2 数値で見る競合比較(2024年度)

企業名売上高(億円)営業利益率海外売上比率店舗数主力業態
トリドールHD約1900約8.5%約23%約1600うどん(丸亀)
ゼンショーHD約7500約4.5%約20%約9000牛丼、ファミレス
サイゼリヤ約1900約12%約35%約1500イタリアン
吉野家HD約2200約6.5%約8%約1200牛丼
FOOD & LIFE(スシロー)約2500約7.8%約12%約800回転寿司

※数値は概算・IR発表を元に再構成

トリドールは売上規模では中堅ながらも、営業利益率の高さ・グローバル比率の上昇が際立つ。ゼンショーのような巨大資本ではないが、利益の質ではサイゼリヤに迫る勢いです。


7.3 戦略とブランドの違い

丸亀製麺(トリドール)

自家製麺、目の前で調理するライブ感

日本文化・「麺」文化の輸出

フードコートからロードサイド、海外路面店まで対応

サイゼリヤ

圧倒的な低価格戦略と高原価率(素材主義)

海外では中国・東南アジアで人気

メニューの少なさ=オペレーション効率

スシロー

最新のIT回転寿司戦略

回転レーンAI、店舗回転数最大化

ファミリー層・訪日観光客向け展開

吉野家・すき家(ゼンショー)

牛丼は競合過多、差別化が困難

テイクアウト・デリバリーで優位性

国内再編と海外拡大のバランスがカギ


7.4 今後の勝負どころは「健康」「サステナビリティ」

消費者の志向は、コロナ禍を経て次の段階に入っています。

健康志向(高タンパク・低糖質)

エシカル消費(脱プラ、地産地消)

透明性(原産地・原材料)

デジタル接点(アプリ、サブスク)

この観点で見ると、トリドールのうどんは「炭水化物中心」であるため、“健康志向”という文脈での訴求にはやや弱みがあります。ただし、トッピングの多様化(半熟卵、野菜かき揚げ、豆腐うどん)などで柔軟に対応しており、ここに“創作うどん”の余地もあります。


7.5 投資家視点での差別化ポイント

項目トリドール他の外食チェーン
成長性高(海外・多業態)やや成熟
利益体質安定して上昇中ゼンショーは低利益体質が続く
ブランド力丸亀製麺は確立スシロー、サイゼリヤも強い
価格戦略中価格サイゼリヤは低価格で勝負
グローバル展開本格化中サイゼリヤ・スシローに次ぐ水準

第8章:株価の推移と今後の見通し

8.1 株価のこれまでの推移

トリドールホールディングス(3397)の株価は、コロナ禍以降に急回復し、その後も堅調な右肩上がりを続けています。特に2023年から2025年にかけては、以下のような出来事が株価を押し上げる要因となりました。

コロナ収束による実店舗回復

インバウンド需要の再拡大

海外展開(特にアジア圏)への期待

創作うどんや新業態への取り組み

実際、2020年3月の株価は800円台にまで落ち込んでいましたが、2024年には3000円台を超える局面もありました。


8.2 株価上昇のドライバー

トリドールの株価は、以下の4つの主要因によって押し上げられてきました。

① 既存店売上高の好調

「丸亀製麺」の既存店売上高が前年同月比でプラスを継続していることは、非常にポジティブな材料です。特に2023年後半以降は、価格改定とリピーター施策が功を奏しています。

② 国内外の出店戦略

2024年には海外出店がさらに加速。タイやベトナムなどでの丸亀製麺出店の報道が株価上昇材料となりました。

③ 業績の継続的成長

営業利益率が高まりつつあり、投資家からは「安定成長企業」として評価されています。ROE(自己資本利益率)も高く、機関投資家の注目も集めています。

④ インフレ耐性とコスト対応力

値上げに対する消費者の許容度も高く、かつ原材料コスト上昇にも価格転嫁で対応。ファーストフードと違い、単価がやや高めの業態が功を奏しています。


8.3 テクニカル分析からの考察

2025年初頭の時点で、トリドールの株価は週足チャートで25週移動平均線の上に位置しており、中長期では上昇トレンドが継続していると見られます。

サポートライン:2500円前後

レジスタンスライン:3200円前後

MACD・RSI指標も過熱感なく推移し、押し目買いが入りやすい展開


8.4 今後のリスク要因

株価が順調に上昇しているとはいえ、以下のリスク要因には注意が必要です。

国内人件費の上昇:外食産業共通の課題

海外展開の失敗リスク:現地での受容性やオペレーション難度

原材料コストのさらなる上昇:特に小麦・油・電気代

同業他社の値下げ競争再開:スシローなどが価格競争に踏み切った場合の影響


8.5 中長期投資家へのアドバイス

今後のトリドール株の見通しは、以下のように整理できます。

投資スタンス推奨度理由
短期トレード目先の材料は出尽くし感あり
中期保有決算安定・拡大余地あり
長期保有成長性はあるが、外食の流行変動リスクに注意

現時点では中期(1~3年)の保有を前提とした買いポジションが有効。業績安定と海外拡大のモメンタムが評価される局面が今後も継続する可能性があります。

第9章:投資判断――買いか、売りか、様子見か

9.1 現在の株価水準と投資家心理

トリドールホールディングス(3397)の株価は、2024年から2025年にかけて堅調に推移しており、インバウンド需要・海外展開・業績拡大を背景に、投資家の期待感も高まっています。時価総額は4000億円を超え、中堅から大型株への成長も見えてきました。

この段階では、

割高感があるわけではない

過去のPER・PBR水準と比較しても妥当

EPS(1株利益)の成長によりPERの上昇リスクも小さい

といった理由から、「高値警戒感」は一部あるものの、悲観的な材料にはなりにくい状況です。


9.2 買いを推奨できる理由

以下の点が、「買い」を推奨する最大の根拠になります。

① 業績の伸びに裏打ちされた株価

トリドールは単なるテーマ株ではなく、実需に基づく業績改善が株価に反映されています。特に営業利益の成長と海外市場の拡張は、数年単位の評価が妥当です。

② 外食産業の中でのユニークポジション

価格帯、メニューの開発力、店舗の運営効率、ブランディングのいずれをとっても、「丸亀製麺」は突出しています。同業他社との比較においても強みがあります。

③ 株主還元の姿勢の強化

2023年以降、配当性向の引き上げや株主優待の改善が検討されており、株主重視経営への転換が鮮明になってきています。

④ 海外市場のポテンシャル

日本国内ではある程度の成長限界が見えてきているものの、海外(特にアジア)ではまだ未開拓市場が多く、丸亀ブランドの浸透により、第二の成長カーブが期待できます。


9.3 様子見を推奨するケース

「様子見」が妥当とされる投資家は、以下のような保守的な戦略をとる方です。

外食産業全体のボラティリティ(変動の大きさ)を警戒している

円安・原材料費高騰によるコスト圧力が気になる

インバウンド需要の一巡を懸念している

こうした場合には、押し目(調整局面)を狙ってのエントリーが理想的です。


9.4 売りを検討するタイミング

利益確定を検討すべきタイミングは以下の通りです。

株価が短期間で急騰した場合(テクニカル的な過熱)

業績が下方修正された場合

海外展開が頓挫、または撤退報道などネガティブ材料が出たとき

社長交代など、経営体制の不安材料が出たとき

長期的には「成長株」としての評価を受けているため、ネガティブサプライズがない限り売り急ぐ必要はありません


9.5 投資戦略まとめ

投資判断評価コメント
買い成長軌道に乗っており、海外展開も好調。押し目を狙うのも可。
売り一時的な利益確定には有効。中長期では割安感あり。
様子見外部環境の変動を見極めつつ慎重に判断したい方向け。

中期的には「買い」、短期的には「押し目狙いの様子見」が有効です。

第10章:ファン投資とESG経営の可能性

10.1 ファン投資という新しい投資潮流

近年、「ファン投資(ファンダム・インベストメント)」という言葉が注目されています。これは、投資対象を単なる利益追求の道具ではなく、共感や愛着をもって応援する企業として選ぶ投資スタイルです。

トリドールホールディングスは、その旗手とも言える存在になりつつあります。

丸亀製麺の「だしのこだわり」「打ち立てうどん」など、ファン心理をくすぐるブランド戦略

SNSやYouTubeでの「中の人」的発信、企業姿勢の透明性

地域限定商品やフェアの開催など、来店体験の強化

こうした「物語性」や「体験価値」が、消費者を顧客からファン、そして株主へと導く循環を生んでいるのです。


10.2 ESG経営への転換と未来

トリドールは2020年代以降、明確にESG(環境・社会・ガバナンス)経営への移行を進めています。

環境(Environment)

食品廃棄ロスの削減

プラスチック容器の再生可能素材への切り替え

店舗の省エネ化とエネルギーマネジメントの導入

社会(Social)

地域採用の強化、女性管理職比率の向上

育児・介護との両立を支援する制度設計

アレルギー対応や多様な食文化への配慮(ヴィーガン対応など)

ガバナンス(Governance)

取締役会における社外取締役比率の向上

指名・報酬委員会の設置による経営の透明化

株主との積極的な対話(IR活動)

これらの取り組みは、単なるイメージアップではなく、「長期株主を育てる基盤」でもあります。


10.3 ファンとともに成長する「経営ストーリー」

丸亀製麺は単なるうどんチェーンではなく、トリドールが描く成長戦略の「物語」の核です。

国内の習慣食から、世界の体験食へ

日本のだし文化をグローバルに広げる企業へ

単なる外食企業ではなく、食文化のクリエーターへ

こうしたストーリーが、ブランドに価値を与え、株価にプレミアムを乗せる構造となっています。


10.4 「ESG×ファン投資」が生む未来の株主像

これからのトリドールに投資する株主は、単なる「儲かるから投資する」という発想から、

「応援したいから」

「社会を良くする取り組みに共感したから」

「子どもにも安心して食べさせられるから」

といった動機を持つ可能性が高まっています。

このような“感情に訴えるESG経営”は、単なるサステナビリティの枠を超えて、企業と株主の共創モデルを育てていく可能性があります。


10.5 総まとめ:長期投資家へのメッセージ

投資対象としてのトリドールは、いまや単なる「外食企業」ではありません。

ブランドを愛する人が自然に株主になる

ESG経営によって、リスクと成長がバランスされる

国内外に「共感消費」が広がるほど、株価の底堅さが増す

「うどん1杯の背後にあるストーリーに、未来を賭ける」――それが、これからのトリドール投資の本質なのかもしれません。

あとがき

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
飲食業という一見身近な業種にも、投資家として見逃せない成長の種が詰まっています。
本書が、みなさんの投資判断に少しでもお役立ていただけたなら幸いです。
これからも、一緒に「食」と「投資」を楽しんでまいりましょう!

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