第1章 思考する者だけが、生き残る相場
「我思う、故に我あり」
17世紀、哲学者デカルトはこの言葉で、人間の存在の確かさを定義した。
すべてを疑っても、疑っている“自分の思考”だけは否定できない。
だから私は存在する――。
この言葉は、哲学の出発点として語られることが多い。
だが、私はこれを投資の世界の格言として読み替えたい。
相場で消えていく人たちの共通点
市場には、毎日膨大な情報が流れている。
AIが世界を変える
半導体はもう終わりだ
金は安全資産ではなくなった
仮想通貨は次の覇権通貨だ
高配当ETFは夢がある
だが、相場で退場していく人たちには、ある共通点がある。
「自分で考えていない」
・誰かの言葉に乗り
・誰かの成功体験をなぞり
・誰かの恐怖をそのまま引き受ける
そこに「自分の思考」はない。
投資における「我思う」
投資における
**「我思う、故に我あり」**とは、こういうことだ。
なぜこの銘柄を持っているのか
何が起きたら売るのか
何が起きても持ち続けるのか
これは“戦略”なのか、“執着”なのか
これを言語化できない投資は、
相場の荒波の中で簡単に崩れる。
考えているからこそ、逃げられる
多くの人は「逃げる=負け」だと思っている。
だが、それは違う。
考えている者だけが、逃げる判断を下せる。
感情で持っている人間は、
・下がっても
・含み損が膨らんでも
・環境が変わっても
ただ耐えるしかない。
一方、思考している投資家はこう言える。
「ここは戦場じゃない。
今は退く局面だ」
生き残る投資とは何か
相場で一番大切なのは、
当てることではない。
生き残ることだ。
そして生き残る者は、必ず考えている。
我思う、故に我あり
我、考える。
故に、私はこの相場に存在し続ける。
第2章|金融市場動向――リスク資産から静かに資金が逃げ始めている
2025年2月初旬の金融市場を一言で表すなら、
「逃げ場を探す相場」だ。
米国株、暗号資産、貴金属――
これまで同じ方向を向いて上昇してきた資産群の間に、
はっきりとした分断が生まれている。
米株式市場:ハイテク主導の調整局面へ
5日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は反落。
一時は600ドルを超える下げとなり、投資家心理は明確に悪化した。
特に売りが目立ったのは、
ハイテク株
AI関連
仮想通貨と連動しやすい成長株
ナ
スダック総合指数は3日続落。
テック株が「安全ではないリスク資産」として扱われ始めている。
背景にあるのは複数の不安要因だ。
ビットコインの急落
労働市場の悪化兆候
利下げに慎重なFRB人事
設備投資拡大による企業収益への警戒
これらが同時に重なり、
「強気で居続ける理由」が一つずつ剥がれていった。
アルファベット決算が示した“次の不安”
象徴的だったのがアルファベット(Google)だ。
売上高:過去最高
広告収入:AI効果で好調
クラウド:成長加速
数字だけ見れば文句はない。
それでも株価は一時8%近く下落した。
理由は明確だ。
設備投資計画が「想定以上」だったから。
市場は今、
「成長」よりも
「キャッシュフローの確実性」を重視し始めている。
AIは成長の象徴であると同時に、
コスト爆弾にもなり得る。
暗号資産:ビットコインは“デジタルゴールド”でいられるのか
ビットコインは5日、
一時6万5000ドル台まで下落。
2024年10月以来の安値水準となった。
25年10月の高値(約12万6000ドル)から、
ほぼ半値である。
市場で語られ始めているのは、
次の問いだ。
ビットコインは本当に「金の代替」なのか?
答えは、いまのところ否に傾いている。
金とビットコイン:決定的な分岐
1月末、
金とビットコインは同時に急落した。
きっかけは、
利下げに慎重とされるウォーシュ氏のFRB議長指名。
だが、その後の動きは正反対だった。
金:押し目買いが殺到し、価格は回復
ビットコイン:売りが止まらず、下落トレンド継続
2月に入ってからの騰落率は、
金:+2%
ビットコイン:-7%
半年で見れば、
金:+45%
ビットコイン:-35%
もはや同じ「安全資産」とは扱われていない。
ETF資金フローが示す“投資家の本音”
この判断は、数字にもはっきり表れている。
ビットコインETF:3カ月連続で資金流出(残高-28%)
金ETF(GLD):資産残高+30%
さらに象徴的なのは、
テザー(USDT)が金を70トン以上購入したことだ。
暗号資産業界の中枢ですら、
「最後に信じるのは金」という判断を下している。
リスクオフの本質は「不信」
今回の相場の本質は、
単なる価格調整ではない。
不信感だ。
ハッキング
強制清算
規制の不透明さ
政治リスクへの依存
これらが積み重なり、
「信じて持ち続ける理由」が失われつつある。
市場は語っている
いま市場が発しているメッセージは明確だ。
成長神話は一度、疑われる
リスク資産は選別される
「同じ上昇」を前提にした投資は通用しない
これは恐怖の相場ではない。
再評価の相場だ。
第3章|それでも資産は崩れていない――TSYYの痛みと、次の一手をどう考えるか
数字だけを並べれば、状況は決して美しくない。TSYYは厳しい。
評価損は約644万円。
これまでの分配金は約355万円。
差し引きすると、実質290万円のマイナス。
しかも、
分配率は低下傾向。
テスラ株価は軟調。
「我慢すれば戻る」と言い切れる環境ではない。
感情的に見れば、
「これは失敗だった」と言いたくなる局面だ。
だが、ここで一度、
視点を“一点”から“全体”に戻す必要がある。
社畜の総資産は、いまどうなっているか
現時点の総資産は、約7,800万円弱。
内訳はこうだ。
不動産:約4,000万円
投資資産:約3,500万円
キャッシュフロー:月約34万円
TSYYは痛んでいる。
だが、人生全体は崩れていない。
むしろ重要なのは、
この資産構成が「一点突破型」ではないことだ。
TSYYを切るべきか、耐えるべきか
正直に言えば、
どちらも“正解”になり得る。
仮に今、TSYYを損切りした場合。
最大損失想定:約300万円
税務上は損益通算が可能
心理的な負担は一気に軽くなる
一方で、
分配金という“時間を味方につける武器”は失う
反発局面が来た場合の回収余地はなくなる
つまりこれは、
お金の問題ではなく、耐久力の問題だ。
テスラは上がれば救うのか?
多くの人がここに期待を寄せる。
だが冷静に言えば、
「テスラが上がればTSYYが戻る」という関係は
以前ほど強くない。
いまの市場は、
テスラ単体の成長
マクロ環境(金利・リスクオフ)
レバレッジETFへの警戒
この3つが同時に作用している。
テスラが反発しても、
TSYYが同じ速度で戻る保証はない。
次の問い:「不動産か」「IGLDか」
ここで出てくるのが、次の選択肢だ。
不動産投資
キャッシュフローは比較的安定
価格変動は緩やか
精神的には“見ないで済む”
ただし、
流動性は低い
次の一手まで時間がかかる
IGLD(ゴールド戦略)
ボラティリティはあるが、構造は単純
仮想通貨と逆の動きをしやすい
「守り」と「インカム」の中間
いまの市場環境を考えると、
IGLDは“逃げ場”として合理的だ。
派手さはない。
だが、崩れにくい。
本当に重要なのは「資産」ではない
この章で一番大事な話をする。
いま、毎日2万歩以上歩き、
筋トレを続け、
体重・心拍・睡眠を管理していること。
これは、
投資戦略として正しい。
相場が荒れるとき、
最後に壊れるのはメンタルだ。
そしてメンタルが壊れると、
「一番やってはいけない売買」をする。
会社の人間関係とキャッシュフロー
会社は正直、最悪。
人間関係は消耗戦だ。
だが、
月90万円のキャッシュは、いま捨てられない
最低限に抑えて“利用する”フェーズ
これは逃げではない。
戦略的な消耗回避だ。
結論:まだ「負け」ではない
TSYYは厳しい。
それは事実だ。
だが、
不動産がある
キャッシュフローがある
体が動く
思考が冷静
この4つが揃っている限り、
主導権はまだこちら側にある。
第4章|AIは仕事を奪うのか、それとも投資機会を奪うのか――アンソロピックが揺らした「SaaSの死」と資本主義の次段階
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2026年初頭、シリコンバレーから一つの言葉が市場を震わせた。
「SaaSの死」。
震源地となったのが、米AI新興の Anthropic だ。
「クロードオーパス4.6」が意味するもの
アンソロピックが発表した新型AI
Claude Opus 4.6(クロード・オーパス4.6) は、
単なる文章生成AIではない。
- 財務諸表を読み込む
- 規制当局向け提出書類を解析する
- Excel・PowerPoint操作をAIが代行する
- 企業分析を“人間アナリスト並み”に実行する
これまで
人が2〜3週間かけていた仕事を、AIが自動化する
と、同社は明言した。
この瞬間、市場は気づいてしまった。
「AIは“便利な道具”ではなく、
既存のビジネスモデルそのものを破壊する存在だ」
なぜSaaS株が売られたのか
この発表をきっかけに、
米国では幅広い業務ソフト関連株が急落した。
理由はシンプルだ。
SaaSは「人の作業効率化」を売ってきた
AIは「作業そのもの」を消しに来た
つまり、
SaaS = 人 × ソフト
AI = 人を介さないソフト
という構造転換が、
現実のタイムラインに入ったからだ。
ダリオ・アモデイの警告
アンソロピックCEOの Dario Amodei は、
以前からこう語っている。
「AI開発は1〜2年で、
AI自身がAIを作る段階に入る」
これは希望ではなく、警告だ。
人間が介在しない世界では、
仕事の奪い合いは終わる
代わりに「資本の奪い合い」が始まる
社畜の立場から見たAI革命
ここで、話を足元に戻す。
会社の人間関係に消耗し
それでも月90万円のキャッシュを手放せず
投資でリスクを取り
身体を鍛えてメンタルを維持している
これ、偶然ではない。
AI時代に生き残る人間の行動様式そのものだ。
AI時代に「安定」は存在しない
AIが進化すればするほど、
事務職
分析職
中間管理職
は、静かに価値を失っていく。
しかし同時に、
資本を持つ者
キャッシュフローを生む者
身体と精神を壊さない者
は、生存確率が跳ね上がる。
TSYYとAIは無関係ではない
一見、TSYYとアンソロピックは無関係に見える。
だが本質は同じだ。
AI → 労働を圧縮
金融商品 → リスクを圧縮
どちらも「時間」を短縮する装置
TSYYが苦しいのは、
市場が「スピードの限界」に直面しているからだ。
AI時代の投資で重要な視点
これからの投資で問われるのは、
成長するか
ではない。
壊れないか
だ。
AIは企業を成長させるが、
同時に不要にするスピードも異常に速い。
結論:AIは敵ではない。だが味方でもない
AIは、
社畜を救わない
投資家も救わない
ただ一つ確かなのは、
AIは、迷っている人間を真っ先に振り落とす
という事実だ。
あなたが今やっている、
ウォーキング
筋トレ
キャッシュフロー維持
資産分散
これはすべて、
AI時代の正しい防御姿勢だ。
第5章|AIの行き着く未来――戦争・資本・人間はどこへ追い込まれるのか
AIはもはや「便利な技術」ではない。
それは国家の戦略、資本の流れ、そして人間の意思決定そのものを置き換える存在になりつつある。
AIは「戦争」を変えた。だから世界は不安定になった
完全無人のAI戦闘機「X-BAT」。
垂直離着陸、通信不要、AIパイロットによる自律判断。
コストはF35の10分の1。
これは単なる兵器革新ではない。
「戦争の敷居」が、致命的に下がった
という意味だ。
人が死なない
国内世論が荒れない
予算も抑えられる
結果、戦争を始める心理的・政治的ハードルが消える。
「無人の地獄絵図」が意味する本当の恐怖米軍が構想する
unmanned hellscape(無人の地獄絵図)。
数千のAI兵器が、台湾海峡に自律展開する世界。
ここで重要なのは、
勝てるかどうか
ではない。
誰も止められなくなる
という点だ。
AIはためらわない。
犠牲を計算し、合理的に最大火力を選ぶ。
AIは「突然エスカレート」する
米軍元トップの警告は重い。
AIによる戦争は、
人間よりも急激にエスカレートする
なぜか。
シナリオ生成が1分以内
相手の反応を即時予測
最悪ケースを“最適解”として選ぶ
**AIにとって核戦争は「選択肢の一つ」**にすぎない。
国家も企業も、AI競争から降りられない
ここで冷静に現実を見る必要がある。
米国 → AI軍拡を止められない
中国 → 群れ型ドローンを止められない
企業 → AI投資を止めた瞬間に淘汰される
AIはチキンレースだ。
止まった側が、即座に負ける
AIは軍需産業すら破壊する
これまで軍需産業は、
ロッキード
レイセオン
ノースロップ
といった大手5社の寡占だった。
だが今、
Shield AI
Palantir Technologies
Anduril(自律防衛AI)
といったAI新興が入り込み始めている。
AIは、巨大組織すら腐らせる
投資の世界に起きている「同じ構図」
ここで、あなたの現実とつながる。
TSYY → 高配当だが、ボラが激しい
SaaS株 → AIで価値が剥落
仮想通貨 → 金に負け始めた
株式 → 成長より「壊れない」が評価される
これはすべて、
AIが「中間」を破壊している
結果だ。
AI時代に残る資産は3つしかない
AIが進めば進むほど、残るのは次の3つだけだ。
現実世界に根を持つもの(不動産・インフラ)
国家が最後に守るもの(金・エネルギー)
人間の身体(健康・持久力・メンタル)
あなたが今やっている、
不動産4000万
キャッシュフロー月34万
ウォーキング・筋トレ
仕事は最低限
これはAI時代の最適解にかなり近い。
AIの行き着く先に「救い」はない
正直に言う。
AIの未来に、
人間全体が豊かになる結末は見えない。
一部は超富裕層になる
多くは仕事を失う
国家はAIに依存する
戦争は自動化される
それでも人間は止められない。
だから必要なのは「撤退戦略」
AI時代に必要なのは、
成長戦略
ではない。
撤退戦略だ。
どこでリスクを切るか
どこで耐えるか
どこを捨てるか
あなたがTSYYで
「様子見」「損切り覚悟」を口にしているのは、
極めて合理的なAI時代の判断だ。
結論:AI時代に勝つのは、速い者ではない
最後に、はっきり言う。
AI時代に生き残るのは
最適化された人間ではない
壊れない人間
折れない身体
崩れない生活
それだけだ。
ウォーキングと筋トレをやめなかった人間が、
最終的に一番遠くまで行く。
終わり


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