破壊神カカムーチョ再降臨か グローバルウェイ急騰の訳 | 40代社畜のマネタイズ戦略

破壊神カカムーチョ再降臨か グローバルウェイ急騰の訳

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第1章:グローバルウェイとは何者か?

グローバルウェイHP

グローバルウェイ(3936)は、東京都に本社を置くIT企業であり、人材・転職・キャリアに関連するウェブサービスを主軸に展開している。代表的なサービスは「キャリコネ」や「キャリコネニュース」で、企業の口コミ情報や転職市場データを提供し、求職者と企業のマッチングに貢献してきた。

しかし、その存在感は業績よりも、ある意味で”異端”ともいえる経営スタイルと広報戦略によって知られている。特に取締役会長である各務正人(かかむ・まさと)氏は、通称「カカムーチョ」としてSNS上でも強烈なキャラクターを放っており、グローバルウェイの株価動向と切っても切れない存在となっている。

第2章:業績の実態と赤字縮小

楽天証券

グローバルウェイの直近(2025年3月期)決算では、経常損失が2億7700万円と依然赤字である。しかし前年同期の赤字が約3億3500万円であったことから、赤字幅は縮小しており、一定の改善が見られる。

売上高や粗利などの具体的な数値は未発表であるが、来期(2026年3月期)には経常損失1億4100万円と、さらなる赤字縮小が予想されている。このため、収益構造そのものに再建の兆しが見え始めたことが、一部投資家の間で再評価につながっていると見られる。

第3章:PTSで株価が爆発した理由

楽天証券

2025年5月20日、グローバルウェイの株価は一日で+26.74%の急騰を記録した。出来高は21万株を超え、PTS(私設取引市場)では買い注文が殺到。出来高ベースで見ても、ここ1年の中でも異例の水準だった。

その理由のひとつは、赤字幅縮小というポジティブサプライズだ。しかし、それ以上に注目されたのが、TwitterやTikTokなどSNSを通じた「会長カカムーチョ」の発信力である。

彼の投稿は株主に直接語りかけるようなスタイルで、個人投資家の心理に強く影響を与える。実際、彼が登場するライブ配信やツイート後に、グローバルウェイ株の出来高が跳ね上がるという現象はこれまでも幾度となく観測されている。

第4章:カカムーチョ現象とは何か?

X

各務会長は自らを「魔界の破壊神カカムーチョ」と称し、X(旧Twitter)やTikTok、YouTubeなどを駆使して自社の株価や事業について強烈なメッセージを発信している。変身系Vtuberのような演出と、過激な発言を織り交ぜたスタイルは、投資家というよりも“ファン”を生む構造に近い。

この現象は2021年にも見られた。当時、グローバルウェイ株は数週間で10倍以上の暴騰を演じた後、暴落。多くの個人投資家が損失を被ったことから、”カカムーチョ相場”とも揶揄された。だが同時に、グローバルウェイという銘柄が一般投資家に強烈な印象を残すきっかけともなった。

第5章:過去の騒動と教訓

グローバルウェイHP

2021年から2022年にかけて、グローバルウェイ株は仕手株的な値動きを見せた。S高(ストップ高)連発から、突如として連続S安(ストップ安)に転落。企業価値に見合わない乱高下に対しては金融庁も関心を示したとされ、当時の投資家フォーラムでは“規制案件候補”とも噂された。

特に問題視されたのは、時価総額数百億円にもかかわらず、業績は赤字続きであり、浮動株比率が高い中で個人投資家の心理が加熱しやすかった点である。

この反省からか、現在のカカムーチョ氏は投資家への呼びかけを「自己責任で」などのフレーズで締めくくるようになっており、一定の自制を見せている。しかし、その影響力は今なお絶大だ。

第6章:買いか、売りか?

さて、今後の投資判断はどうあるべきだろうか。

グローバルウェイは、単なる中小IT企業という枠を超え、「物語性」を持った銘柄として投資家の記憶に刻まれている。会長のキャラクター性、SNS戦略、過去の急騰劇などが合わさり、株式市場における一種の”現象”となった。

買い材料:赤字幅縮小、話題性、PTSでの流動性

売り材料:依然として高PER(120倍超)、財務リスク、過去の急落履歴

本質的には、業績回復に具体的な裏付けがあるわけではない。SNSを起点とした思惑買いが先行している状況であり、”短期勝負の投機枠”として位置づけるのが無難だろう。

第7章:まとめ

冷静な目線で見れば、投資対象としてはリスクが大きく、基本的には短期トレードやネタ銘柄としての関心にとどめておくべきだろう。

ただし、こうした企業が今後、実態のある成長戦略や収益改善を打ち出してきたとき、再び“伝説の再来”となる可能性もゼロではない。

投資は自己責任で。


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