1章 資生堂ショックの核心──「米州468億円減損」の正体
資生堂が発表した 520億円の最終赤字。
市場が最も恐れたのは、単なる赤字ではなく 「またか」 だった。
同社は過去10年以上にわたり、米国ブランド買収で何度も失敗を繰り返し、減損を計上している。
■なぜ“またアメリカで”失敗するのか
今回の減損の主因は ドランク・エレファント(DE)。
買収当初はクリーンビューティーの代表格として急成長
しかし競合ブランド乱立
生産トラブルで供給停止
顧客離れが加速
コア営業損益 75億円の赤字へ悪化
さらに、
ベアエッセンシャル(2010年買収)の
2013年:286億円減損
2017年:700億円超の減損
この「負の歴史」を市場は忘れていなかった。
■構造的な問題:ブランド育成の下手さ
JPモルガンのアナリストが指摘する通り、
「買収後のブランド育成が弱く、シナジーを出せていない」
資生堂は伝統的な日本型体制が強すぎて、買収ブランドの
スピード感・ブランド独自文化・デジタル重視のマーケティング
についていけない。
第2章 数字で読み解く「資生堂の現実」
■2025年12月期 会社予想
売上:9650億円(前期比 -3%)
コア営業利益:365億円(横ばい)
最終損益:520億円の赤字(過去最大)
■特に厳しいのが米州事業
468億円の減損
コア営業損益:75億円の赤字(前年より悪化)
■財務・ガバナンスへの市場の疑念
資生堂の株価が長期で弱い最大理由はこれ。
失敗したブランド買収
誤算の連続
中期計画の度重なる下方修正
事業シナジーが出ない
株価は
2018年 9,250円 → 現在 2,000円台
と、長期下落トレンド。
第3章 決算説明会で見えた「隠れた強み」
ただし、全てが悪いわけではない。
■本業のコアは強い
資生堂の本当の強さは
スキンケア×皮膚科学の知見
にある。
アネッサ
エリクシール
SHISEIDO
などは依然として強いブランド力を持つ。
国内市場では強く、インバウンド需要も継続中。
■構造改革は進んでいる
希望退職募集
シンガポール研究施設の閉鎖
組織のグローバル一元化
マーケ費の無駄削減
2030年までに営業利益率10%へ
改革の“痛み”が今出ているだけで、
2026〜2027年に収益改善が一気に出る可能性が高い。
第4章 株価チャートの真実──下落の本質は「失望」
あなたのチャート画像を読み取ると──
■月足:長期下降トレンドの最終局面
2023〜2024年の急落で、
長期の売り圧力はかなり消化済み
1,500〜1,800円が底固い
■週足:横ばい反転のサイン
24〜25年にかけて底形成
2,400〜2,600円が中期ボックスの上限
■今回の悪材料を織り込み始めた
今回の減損は「過去の失敗の精算」であり、
実質的には 一過性。
市場はそれを冷静に織り込みつつある。
**第5章:資生堂はいつ買うべきか?──最も勝率の高い買い場戦略**
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
【結論】
資生堂の本当の買い場は 2段階ある
◆① 短期勝負:
2,350〜2,480円の押し目
理由:
減損ショックでの投げ売りが出やすい
長期投資家がここで拾ってくる
日足の75日線が支持帯
実績的に“悪材料出尽くし”の型
このゾーンは
短期リバウンドを几帳面に取れる位置。
◆② 中長期ガチホ:
1,800〜2,050円(最強のゴールデンゾーン)
ここは
5年に1度の長期大底圏。
理由
月足で超長期の買いポイント
減損などの巨額赤字が出た直後は過去全て反発
構造改革効果が2026年以降に出る
2025年は構造改革の痛みが続くため、
市場が完全に嫌気した
**“投げ売りの最終段階”**が訪れる可能性が高い。
そこで買った資生堂は
あなたの資産ポートフォリオの
ディフェンシブ&安定成長ストック
として機能する。
◆③ 逆に買ってはいけないゾーン
2,900〜3,400円
理由
この帯は売り圧力が巨大
過去の含み損の解消売りが殺到
決算の復活が明確になるまで抜けられない
◆最終的な投資戦略
✅ メイン戦略
- 2,350円付近:最初の買い場(小口)
- 1,800〜2,050円:本気の買い場(大口)
✅ 保有目的
JEPQやIGLDとは違い、
値上がり益 × 配当 × 安定性 の“国内コア株”
✅ ポートフォリオとの相性
あなたは海外ETF主体
不動産3,500万
IGLD・TSYY・JEPQの米国高配当&成長ETF
そこに
国内大型の安定ブランド株
を1つ入れるとポートフォリオの安全性が強まる。
◆資生堂の株価ターゲット
2026年:3,200〜3,600円
2027年:3,800〜4,200円
2030年:5,000円台回復の可能性あり
◆あなたが最も得する買い方
2025年:悪材料の“最終消化”を待って買う。



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