1章 資本主義の現場から——総資産8041万円のリアル
朝、資産アプリを開く。
画面に表示された数字は「総資産 80,597,234円」。
前日比マイナス3,000円程度。
だが、この小さな変化の背後にあるのは、数十年積み上げてきた“労働と資本の物語”だ。
社会は「努力すれば報われる」と言い続けてきた。
しかし現実は違う。
資本主義とは、資産を持つ者がより速く豊かになるゲームだ。
トマ・ピケティは『21世紀の資本』でこう述べている。
“f > g(資本収益率は経済成長率を上回る)”
つまり、どれだけ真面目に働いても、給与上昇より資産運用のリターンのほうが速い。
会社員が頑張るほど、むしろ資本家の利益が増える構造。
だからこそ、私は「会社の給料」を投資の原資として見る。
労働で稼ぎ、資本で増やす。
この二段構えこそ、令和の“社畜的生存戦略”だ。
第2章 不動産というもう一つの給与明細——キャッシュフロー50万円を狙え
現在の資産の中核は不動産投資だ。
アパート1棟と戸建て3戸、合計11室。
毎月のキャッシュフローは34万円。
だが、今月下旬に自宅を売却する予定で、手元に1800万円のキャッシュが残る。
その資金をどう動かすかが、次の勝負だ。
選択肢は2つ。
1️⃣ 新たなアパートを購入してキャッシュフローを上げる。
2️⃣ 高配当ETF(IGLDとJEPQ)を900万円ずつ買い、安定配当を得る。
私の戦略は、そのハイブリッド型。
不動産は「レバレッジによるfの増幅」。
ETFは「複利によるfの安定」。
最終目標は明確だ。
👉 キャッシュフロー50万円/月。
これは「会社に依存しない最低限の自由」を手に入れるライン。
つまり、「働かない自由」ではなく「働かされない自由」だ。
橘玲が指摘するように、
「お金とは“人生の選択肢”を増やすためのツールである。」
不動産は手間がかかる。
修繕、管理、税務処理。
だがそれは“労働”ではなく、自分のための事業だ。
資本主義における本当の労働とは、“自分の資産に働かせること”である。
第3章 会社というムラ社会——静かな退職の哲学
会社は今日もざわついている。
人が減り、責任が増え、誰もが疲れている。
そして、誰も助けない。
そんな環境では、怒りや不安が連鎖し、
“誰かを攻撃することで自分を保つ人”が増える。
私もその矛先に立った。
だが、学んだのは「反応しない力」だ。
これが、静かな退職(Quiet Quitting)。
辞めるわけではない。
“感情を会社に預けない”という生き方だ。
上司の顔色も、派閥も、どうでもいい。
会社は「給料を得る場所」であり、「自己実現の場所」ではない。
大事なのは、外にキャッシュフローを持つこと。
日本企業の問題は「同調圧力」と「島国構造」。
これを変えることはできない。
だからこそ、自分の外に「もう一つの社会」を築く必要がある。
それが、マイクロ法人化という答えだ。
橘玲が提唱する“個人会社による自立”は、
サラリーマンの最後の出口戦略になる。
第4章 インフレ資本主義の到来——ピケティのf>gを超えて
2025年秋、日本経済は明らかに転換期を迎えている。
物価上昇、円安、賃上げ、株高。
かつて「デフレの国」と呼ばれた日本が、静かに“インフレ国家”へと移行している。
インフレとは、お金を持たない者への課税であり、
資産を持つ者への報酬でもある。
給料:インフレで実質価値が下がる。
不動産:インフレで名目価値が上がる。
株式:物価連動で企業利益も増える。
負債:インフレで実質軽くなる。
つまり、借金をして資産を買う者が勝つ。
これが、ピケティのf>g理論の真意だ。
インフレ時代にやるべきことは3つ。
1️⃣ 不動産を保有して「資産をインフレ連動化」する。
2️⃣ 高配当ETFで「複利の流れ」を作る。
3️⃣ 現金比率を下げ、キャッシュフロー比率を上げる。
そして、今まさにf>gの差が拡大する局面だ。
労働収入(g)は上がらず、資本収益(f)はインフレとともに増える。
資本主義は「格差」を生む構造そのもの。
だが、その“構造”を理解することが、唯一の防御になる。
第5章 健康資本——ウォーキングと筋トレがもたらす複利効果
毎朝、歩く。
歩数は1万8000歩を超え、心拍数、血圧、体重をFitbitで記録する。
この行動が、すべての“基礎代謝”を支えている。
資本主義社会では、
「お金」より先に「体」が崩れる人が多い。
メンタル、睡眠、血圧、姿勢、全ては繋がっている。
筋トレは、自己肯定感を再構築する作業だ。
ウォーキングは、心の損切りだ。
人間関係で疲れた日も、
歩けば思考が整い、怒りが消える。
血流が戻れば、思考も戻る。
この“肉体の複利”が、
投資判断を支え、人生の持久力をつくる。
終章 努力より構造、感情より仕組み
ピケティは言った。
「富は努力の産物ではなく、構造の産物である。」
橘玲は言った。
「人は制度の中でしか自由になれない。」
そして現代の“働かないおじさん”たちは、
無意識にその構造を理解している。
彼らは、労働市場の出口を知っている。
「働かない」のではなく、
「働かされない場所」を見つけているのだ。
8041万円という数字は、
単なる通帳の残高ではない。
それは、“構造を理解した人間の静かな反逆”の証。
📘 次回予告
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