第1章 ビットコイン10万ドル割れ──市場の恐怖と「短期トレンド」の正体
◆1-1 市場を揺らした“金利ショック”の本質
2025年11月、ビットコインは象徴的な数字である 10万ドル を割り込み、投資家心理を大きく冷やした。
SNSには
「終わった」「バブル崩壊」「アルトも死亡」
といった書き込みがあふれ、米国でも短期筋のロスカットが連鎖した。
だが、この“恐怖”の中身を冷静に分解すると、
その多くは 「金利見通しの後退」という金融イベントの副産物 にすぎない。
・米国の利下げ観測が後退
・FRB高官のタカ派発言
・債券利回りの急上昇
・株式からリスク資産全体へ波及
これらはビットコインのファンダメンタルとは関係がない。
市場は常に「短期の恐怖」を長期の本質と混同する。
このギャップを見抜くことが、暗号資産の投資戦略では極めて重要だ。
◆1-2 “恐怖は連鎖し、理性は遅れてやって来る”という市場心理のメカニズム
相場の下落局面では、価格そのものよりも、
“投資家同士が恐怖を伝染させる速度”が問題になる。
・X(旧Twitter)の投稿
・界隈インフルエンサーの悲観
・投資家コミュニティのネガティブコメント
・YouTubeの「ビットコイン終わり!」系動画
この手の情報が一斉に広まると、
価格とは無関係に売りが売りを呼ぶ。
しかし、これは株式・為替・コモディティに共通して見られる
典型的な短期循環 だ。
重要なのは、
“恐怖の速度は速いが、回復の速度も同じほど速い”
ということだ。
実際、FRB高官が「利下げは可能」と柔らかい発言をした瞬間、
ビットコインは急反発した。
恐怖による下落は「トレンド」ではない。
ただの水しぶきである。
◆1-3 価格よりも見るべきは「保有者の性質」の変化
2024〜2025年の暗号資産市場は、
“過去の暗号資産市場”とは全く異なる構造になっている。
・ETF
・年金
・大学基金
・ヘッジファンド
・政府系ファンド
こうした マクロ資金(長期マネー) の参入が、市場の質を大きく変えた。
短期の乱高下があっても、
底には巨大な買い支えが存在している。
表面のチャートだけでは見えない
“投資家層の厚み”こそ、2025年のビットコインを支える本質だ。
第2章 アメリカ国民がビットコインを買い続ける理由──ドルの失われた信認
◆2-1 アメリカ国民の14%、5000万人がビットコイン保有という事実
調査会社 River のレポートによると、
アメリカ国民の 約5000万人(国民の14%) がビットコインを保有している。
これは衝撃的な数字だ。
ヨーロッパやアジアでは3%台に過ぎない。
なぜアメリカだけが突出しているのか?
それは、
米国民が最も「ドルの弱さ」を知っているから である。
◆2-2 40年で購買力が“70%消えた”米ドルの現実
米セントルイス連銀のデータが示すのは残酷な現実だ。
1982〜1984年を100とした米ドルの購買力は、
40年で70%も減少した。
・物価上昇
・賃金の伸び鈍化
・住宅価格の急騰
・医療費高騰
・インフレ期待の慢性化
ドルは世界で最も使われているが、
“価値が最も削れ続けている通貨”でもある。
アメリカ人は知っている。
ドルだけを握り続けるのは、実はリスクであることを。
だからこそ、
・株式
・ゴールド
・ビットコイン
へ資金が流れ込み続ける。
この構造は10年単位で変わらない。
◆2-3 ドルの弱体化が続く限り、ビットコインは「代替通貨」になり続ける
ビットコインは投機でもギャンブルでもない。
アメリカの投資家にとっては
ドルを補完する“保険通貨” の役割を果たしている。
✔ 価値の希薄化から逃れる手段
✔ インフレへのヘッジ
✔ 自国通貨の下落に対する長期防衛
✔ 現金ではなく「資産」を持つ文化
つまり、ビットコインは
金(ゴールド)と同じ存在に進化した。
下落で悲観しているのは、
“価格だけを見る短期投資家”だけである。
第3章 半減期サイクル──歴史が示す「調整→上昇」の規則性
◆3-1 半減期後は必ず下落する
2024年4月、ビットコインは4回目の半減期を迎えた。
過去の半減期の共通点は驚くほど一致している。
✔ 半減期後の共通パターン
- 半減期 → 価格急騰
- 半減期後1〜1.5年 → 調整(今回がちょうどこの時期)
- その後、中期で最高値更新
このシナリオは 2012年・2016年・2020年 の3回すべて同じ。
つまり今回の下落は
歴史どおりの正常反応であり、
むしろ “中期上昇への前兆” と見なされる。
◆3-2 半減期は「マイナーの売り圧が消えるタイミング」
ビットコイン価格を決定する最も大きな要因は、
マイナーが市場に売却する量(供給)である。
半減期は供給ショックを起こす。
✔ 採掘報酬が半分
✔ マイナーの売却量が激減
✔ 供給が絞られる
✔ 中長期で価格は上昇する構造に変化
これはビットコイン特有の“デフレ通貨構造”だ。
◆3-3 短期下落で売るのは、歴史を知らない投資家
過去のビットコインチャートを見ると
“半減期後に売った人が最も後悔している”
というのが共通点だ。
歴史を学ぶ投資家は、
今の調整を
「次の大きな上昇の入口」と見ている。
第4章 機関投資家が買い増す時代へ──ハーバード大学の参戦が意味するもの
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◆4-1 ハーバード大学が700億円のBTC ETF保有
2025年11月にSECへ提出された資料で判明した重大ニュース。
ハーバード大学が4.4億ドル(約700億円)のBTC現物ETFを保有。
ハーバード大学がビットコインを保有しているという事実は、
市場にとって非常に大きい。
なぜか?
ハーバード大学は
世界屈指の巨大運用機関 であり、
政治的圧力や短期のノイズに左右されない“本物の長期投資家”だからだ。
◆4-2 大学基金がビットコインを持つ時代
・ハーバード
・エール大学
・スタンフォード
・MIT
これらの大学基金は
世界の資産運用のトップである。
彼らは
“高いリターンを出し続けるプロ集団”
であり、
従来型の株式・債券だけでは大学を維持できないと理解している。
その彼らが
ビットコインをポートフォリオに組み込んだ。
これは次の2つを意味する。
① ビットコインは「投機」ではなく「長期資産」扱い
② 機関投資家の流入はまだ序章にすぎない
◆4-3 長期マネーが入る市場は崩れない
ビットコイン市場の本質は変わった。
2017年:個人の熱狂
2021年:企業の参入
2024年:ETF承認
2025年:大学基金・年金が本格参戦
これは
成熟市場の順番 そのものだ。
短期の乱高下はあっても、
ビットコインという資産は
大きく後戻りすることはない。
第5章 日本の未来──暗号資産は「必要な資産」へと変わる
◆5-1 日本の課題は、“資産を守る手段の貧弱さ”
日本は今、
・円安
・物価上昇
・実質賃金マイナス
・将来不安
という複数の問題に直面している。
しかし、国民の多くは依然として
「現金」
「預金」
を最も安全と考える。
これはアメリカとは正反対だ。
◆5-2 口座数1320万──静かに進む“日本の暗号資産シフト”
2025年、日本の暗号資産口座数は
ついに 1320万件 を突破した。
日本の人口の1割を超える規模である。
これは
ドルの弱さに気づいたアメリカより、遅れて同じ道を歩いている
ということであり、
今後3〜5年でさらに増えると見られる。
◆5-3 分離課税20%が実現すれば、国内資金が一気に流入する
暗号資産への課税を
現在の雑所得(最大55%)から
一律20%に下げるべきだ
という声が急速に強まっている。
これが実現すると何が起きるか?
✔ 日本の投資家が参戦しやすくなる
✔ 企業が領域に参入しやすくなる
✔ 金融機関のサービスが拡大する
✔ 暗号資産市場が“第二のNISA”化する
これは 日本の投資インフラが大きく変わる転換点 になる。
◆5-4 暗号資産は“未来を守る手段”になっていく
ビットコインは、
かつての「夢の資産」や「投機対象」ではない。
今や
通貨の弱体化に対する“家庭の防衛手段”
となりつつある。
アメリカが示した未来は、
日本がこれから辿る未来でもある。
そして、
その未来を迎える前に動けた人こそが、
もっとも大きな利益と安心を手にする。
【了】



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