第一章 ソフトバンクG急落の「真因」を掘り下げる──表では語られない構造崩壊の正体
ソフトバンクグループ(9984)が、日経平均を大きく押し下げるほどの急落を見せた。
前日比 -1,700円、-9.95%。
通常、この規模の企業でここまでの値幅は「異常事態」のシグナルだ。
私が最初に着目したポイントは、市場がこの急落を「AIバブルの崩壊」や「NASDAQ調整」の一種として片づけようとしていた点である。だが、実際にはもっと深い構造問題が存在する。
ソフトバンクGという企業は他の日本株とは根本的に異なっている。
通常の企業=工場・事業・従業員から利益を生む
SBG=投資会社であり、評価損益が株価を暴れさせる
つまりソフトバンクGは「実態企業」ではなく、
“巨大なAI投資ファンド+レバレッジ機関+有価証券倉庫” のような存在である。
そして今回の暴落には、以下の構造的な引き金が同時多発的に起きていた。
① Armの過剰期待剥落(AIバブルの先頭銘柄の鈍化)
ソフトバンクGの財務に最も影響するのが 英Arm である。
AIサーバー需要は続いているものの、
市場は「AIの利益回収フェーズ」から「次の収益源の探索フェーズ」に移行しつつある。
つまり相場は、
“AIの夢” から “AIの収益” へ評価軸を変えた
このタイミングでArmの評価額に陰りが見えた。
これが9984の直撃要因。
② Vision Fund の評価損リスク再燃
ソフトバンクGは大型投資ファンド Vision Fund を通じて数百社に投資しているが、そこには好景気耐性の弱い銘柄も多い。
米利下げの遅延
→ ハイテク・スタートアップの資金繰り悪化
→ VCバリュエーション低下
→ Vision Fund の再評価損リスク上昇
これが市場の“恐怖スイッチ”を押した。
③「Gemini 3」を巡るOpenAIとの主導権争い
AI市場ではGoogle(Gemini)とOpenAI(ChatGPT)の覇権争いが激化している。
今回の報道では、
「OpenAIが正確性で劣る可能性」
の指摘があったことでAI関連株全体が揺れた。
ソフトバンクGはAI関連ニュースの温度差で株価が動くため、
GeminiとOpenAIどちらの情報も間接的ダメージになる。
④“異常なチャートの形”が作った投資家の総逃げ
月足チャートを見れば誰でも気づく。
2023〜2025で株価約3倍
直近は“垂直上昇”からの“垂直落下”
この形は、機関投資家が最も恐れる “エッフェル塔型”。
上昇が急すぎると、わずかな悪材料で下落が雪崩になる。
今回まさにその形である。
**第2章 ソフトバンクGの“本当の価値”を数値で読み解く
──AI覇権争い・Vision Fundの中身・Arm依存リスク**
私は普段から総資産戦略の観点で銘柄分析を行っているが、
ソフトバンクGを見るときに最も重要なのは以下の3軸である。
① ソフトバンクG=Armの価値で決まる(現代の半導体ダービー)
現在のSBGの評価は、
「Armの株価 × SBGの持ち分」 がほぼ全てを決める。
ArmはAI時代の根幹である“省電力CPU”を握っているため強いが、それでも株価は循環する。
Arm上昇 → SBG急上昇
Arm下落 → SBG暴落(今回)
Armのチャートを見る限り、
市場の評価は「過度な期待の調整期」に入っている。
② Vision Fundの“重さ”は市場が思う以上に巨大
Vision Fundの投資先には、
AIスタートアップ
フィンテック
オンライン小売
モビリティ
インド市場
Frontier Tech
などが混在している。
この構造は“未来の宝くじ箱”であり、
当たれば数兆円規模のリターンになるが、
外れれば巨額損失になる。
今回の急落は、
「Vision Fundの再評価が下振れするのでは?」
というマーケットの恐怖補正がかかった結果だ。
③ SBGの財務は市場の噂だけで振り回される構造
ソフトバンクGの流動性は巨大だが、
それでもレバレッジ構造は脆い。
以下のどれかが噂された瞬間に株価は暴れる。
Arm評価減
Vision Fund赤字懸念
SBKKの通信事業の伸び鈍化
AI投資巡る競争激化
米国ハイテクの調整
今回の急落は「複合要因の連鎖」だった。
**第3章 ソフトバンクGは“買いか否か”
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
──押し目買いの判断は『3つの条件』で決まる**
私の投資戦略の中で、ソフトバンクGは「逆張りのモンスター銘柄」に分類される。
上がるときは一気に上がり、
下がるときは恐怖で売りが殺到する。
だが、こういう銘柄ほど押し目買いの妙味は大きい。
押し目買いのポイントは次の3つ。
① Armが反発した瞬間=SBGの復活合図
Armが上げれば、その10倍の速度でSBGは上がる。
つまり、
SBG単独ではなく、Armのチャートで押し目を判断
が正解。
② 日足が“下ヒゲ+反発3日”で底打ちサイン
SBGの底打ちはわかりやすく、
陰線連続
大出来高
3日連続の陽線転換
の3点セットで発生する。
まだ下落初動であるため、
底値はもう少し下にある可能性が高い。
③ 日経平均がAI株主導で反発した時、SBGは最速で戻る
今回の急落は「AI株とVC関連の恐怖」だった。
この心理が戻ればSBGも一気に戻る。
**第4章 ソフトバンクGと“私の総資産戦略”
──銘柄というより巨大なAIオプションとして扱うべき存在**
私自身は総資産の収益源を分散させている。
月70〜80万円のキャッシュフロー(TSYY中心)
IGLDなどの分配系ETF
RE不動産CF
給与収入
長期株式・高配当ETF
その中でソフトバンクGのような銘柄は、
「キャッシュフローではなく資産増幅用」として扱う。
■ 私の結論
ソフトバンクGは“買う銘柄”ではなく、“押し目でベットする銘柄”
理由:
下落幅が極端に大きい
戻しも極端に早い
Armという巨大コアがある
AIサイクルは今後10年以上続く
つまりソフトバンクGは「安全な銘柄」ではないが、
資産を増やしたい時にだけ触る“レバレッジ型の日本株” として最適。
第5章 総合結論──今回の暴落は“終わりの始まり”ではなく“始まりの始まり”である
私は今回の暴落を見て、むしろ逆にチャンスが広がったと感じている。
■ 理由1:AIサイクルはまだ序章
AIインフラ・半導体・演算需要は始まったばかり。
SBGの資産価値の中心であるArmは、
この波の中心にいる。
■ 理由2:Vision Fundは“底”で価値が跳ねる仕組み
VC業界は景気底で仕込み、
景気回復で価値が爆発する。
つまり今はVision Fundの黄金の仕込み期。
■ 理由3:SBGの急落は毎回“暴騰前の助走”
過去20年のSBGを見ると、
暴落→暴騰の流れが圧倒的に多い。
今回もチャート構造は明らかに同じ形である。
最終結論
今回の暴落は“SBGの死”ではなく、“押し目買いの始まり”である。
長期で見れば、AIバブルの中で最も伸びる日本株の一つ。
ただし、買い場は「底打ち構造」が出るまで待つこと。
私自身も同じ基準で判断している。
【了



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