1章 石川直樹――「野生のスイッチ」が入るとはどういうことか― 写真家の略歴から読み解く“人間が人間に戻る瞬間” ―
■ 石川直樹とは何者か――まず略歴から
石川直樹は、いわゆる「山の写真家」ではない。
彼は人間が極限環境に置かれたとき、何が剥がれ落ち、何が残るのかを撮り続けてきた写真家だ。
1977年生まれ。早稲田大学在学中から世界各地を旅し、
七大陸最高峰登頂
北極・南極遠征
エベレスト複数回登頂
といった、人間の安全圏をはみ出す行為を自らの身体で引き受けてきた。
彼の写真に写っているのは、
「絶景」でも「達成」でもない。
文明のノイズが削ぎ落とされた、人間そのものの状態だ。
■ 「野生のスイッチが入る」とは何か
石川が語る「野生のスイッチ」とは、
闘争心や根性論の話ではない。
それはむしろ逆で、
余計な感情が消える
不安や期待が薄れる
判断がシンプルになる
“今やるべきこと”しか見えなくなる
という状態を指している。
エベレストの標高8,000mでは、
空腹
寒さ
酸素不足
が同時に襲う。
この環境では、
自己演出・社会的役割・承認欲求は一切役に立たない。
結果として、人は
「生きるために必要な回路」だけを残して生きる。
これが、石川直樹の言う「野生のスイッチ」だ。
■ なぜ“登山”なのか――写真より先に身体が削られる
石川の作品が独特なのは、
「撮りに行っている」のではなく、
**「生き延びた結果として、写真が残っている」**点にある。
彼自身が、
極限まで体力を削られ
判断ミスが即死につながり
他人に気を配る余裕すらなくなる
その状況に身を置く。
このとき、人間は
過去を後悔せず
未来を心配せず
“いま”だけを処理する
完全な現在モードに入る。
👉 これが、写真に写る「静けさ」の正体だ。
■ 野生のスイッチは「特別な人」だけのものではない
重要なのはここだ。
石川直樹の言葉は、
登山家だけの話ではない。
条件は3つだけ。
空腹(エネルギー過多を断つ)
移動(身体を使う)
孤独(社会的役割から離れる)
この3つが揃うと、
人は誰でも野生のスイッチが入る。
あなたが
長く町中を歩いたときに感じた
「思考が静かになる感覚」は、
登山の簡易版が起きていたに過ぎない。
■ なぜ現代人にとって重要なのか
現代社会は、
情報過多
感情の過剰刺激
常時評価される環境
で、野生のスイッチが入りにくい構造になっている。
その結果、
思考が散り
不安が増え
人間関係で消耗する
石川直樹の言葉は、
この状態へのカウンターだ。
「もっと頑張れ」ではない。
**「一度、人間に戻れ」**というメッセージ。
■ まとめ:野生のスイッチとは“壊れる前の非常用回路”
野生のスイッチが入るとは、
強くなることではない
速くなることでもない
無駄を削ぎ落とし、壊れない状態に戻ることだ。
石川直樹は、
命を賭けた場所でそれを体験し、
私たちは歩くことで、それを“薄く”体験できる。
この章の結論はシンプルだ。
人間は、静かになったときにいちばん正確になる。
この感覚を知っている人間は、
資本主義でも、人間関係でも、
無駄に消耗しない。
それが、石川直樹の言う
**「野生のスイッチ」**の本当の意味だ。
第2章 ただ日々を無駄に消費したくない――資本主義の象徴としての「今日の金融市場」
石川直樹が語る言葉の中で、私がいちばん金融市場と重ねてしまうのは、この感覚だ。
「ただ日々を無駄に消費したくない」。
これは登山家や写真家のストイックな美学ではなく、むしろ資本主義を生きる人間にとっての最低限の倫理に近い。
なぜなら、金融市場とは「人間が日々をどう消費しているか」が、最も冷酷な形で可視化される場所だからだ。
■ 今日の東京市場――意味のない消耗が価格に現れる
17日の東京株式市場は、続落スタートが予想されている。
米国市場はプレジデントデーで休場。新しい材料は乏しく、先週2600円超も上昇した反動で、戻り待ちの売りが出やすい地合いだ。
日経平均の下値メドは
5万6806円 → 約500円安の5万6300円前後。
これは悲観でも恐怖でもない。
むしろ市場はこう言っている。
「一度、立ち止まれ」
先週の上昇は、期待と勢いで駆け上がった。
だが、GDP速報は市場予想に届かず、円はじりじりと強含む。
ソフトウエア関連株の下落で、海外投資家のリスク許容度も低下している。
ここで無理に走り続けるのは、
高山で酸素が薄いのにペースを上げる登山と同じだ。
■ 下値が崩れない理由――「生き残る構造」がある
それでも、今日の市場は簡単には崩れない。
理由は明確だ。
第2次高市早苗内閣の発足(18日)
消費税減税・給付付き税額控除を巡る国民会議の立ち上げ
食料品消費税ゼロ(2年間)という強いメッセージ
これは短期のバラマキ期待ではない。
「資本主義のエンジンを止めない」という政治的意思表示だ。
だから、株価が下がれば
恐怖ではなく、押し目買いが入る。
市場は感情で動いているようで、
実はかなり冷静だ。
■ 石川直樹と金融市場の共通点
石川直樹が極限環境でやっていることは、たった一つ。
無駄な動きをしない
意味のないエネルギー消費をしない
今日、生き延びることだけに集中する
金融市場も同じだ。
材料がない日に無理に動くのは、
日々を無駄に消費する行為に近い。
今日の市場はこうした局面だ。
上を追えば、酸欠になる
下を恐れすぎれば、動けなくなる
だから市場は、
**「横になり、様子を見る」**という選択をしている。
これは停滞ではない。
生存のための判断だ。
■ 今日という一日を、どう使うか
石川直樹は、山でこう問われ続ける。
今日、何をして生き延びるか
金融市場も、私たち投資家も、
同じ問いを突きつけられている。
今日、無理に売買する必要はあるか
今日、感情でポジションを動かしていないか
今日、資本を減らす行動をしていないか
相場に参加しないという判断も、
立派な「行動」だ。
■ この章の結論
今日の金融市場は、
**石川直樹的に言えば「登りすぎた後の高度順応」**の時間にある。
焦らない。
走らない。
ただ、無駄に消耗しない。
資本主義とは、勝つゲームではない。
生き残るゲームだ。
日々を無駄に消費しない者だけが、
次の一手を打てる。
今日の相場は、そのことを静かに教えている。
第3章 社畜の資本主義・生き残り戦略――「辞めない」前提で、どう生き延びるか
私はずっと考えている。
資本主義社会で一番しんどいのは、負けることではなく、消耗し続けることだと。
会社を辞められない。
人間関係は選べない。
時間は有限で、体力は確実に落ちていく。
それでも、生活は続く。
だから私は「一発逆転」ではなく、
生き残り続けるための戦略を選んだ。
■ 金融資本:キャピタルよりインカム
私の金融資本戦略は、極めて単純だ。
値上がり益より、キャッシュフロー
理由は明確だ。
サラリーマンの人生最大のリスクは、
「判断を誤ること」ではなく、
判断力が落ちるほど疲弊することだからだ。
● ペーパーアセット(金融資産)
TSYY:1万口 → 月60万円
IGLD:2,000口 → 月5万円
合計で月65万円前後のインカム。
正直に言う。
TSYYもIGLDも値動きは激しい。
ハイリスク・ハイリターンの部類だ。
だが私は、
「価格が上下するストレス」より
「毎月お金が入る安心感」を選んだ。
評価損が出ても、
生活費はキャッシュフローで回る。
これが精神的に圧倒的に強い。
■ 不動産事業:現物×インカムの軸
金融資本だけでは、資本主義は不安定だ。
そこで私は不動産を組み合わせた。
投下資本:約3,500万円
月間キャッシュフロー:約34万円
リスク:ミドル
リターン:ミドル
派手さはない。
だが、ブレにくい。
金融資産が荒れたとき、
不動産の家賃収入は淡々と入ってくる。
これがあるだけで、
相場に対する姿勢が変わる。
■ 法人化という防具
個人で稼ぐほど、税金は牙をむく。
だから私は、法人化を前提に考える。
税率コントロール
経費化
キャッシュフローの平準化
目的は節税ではない。
資本主義からの被ダメージを減らすことだ。
■ サラリー:最大の矛盾、最大の武器
私のサラリーは、月95万円。
正直、これは辞めづらい。
しかも、
一部上場企業
生産性は高い
社会的信用もある
だが、
人生最大のストレス源も、ここにある。
人間関係が直撃する
組織論のストレスが重い
感情の消耗が激しい
それでも私は辞めない。
なぜなら、
このサラリーがすべての投資原資だからだ。
辞めない代わりに、
「距離の取り方」を徹底する。
アンガーマネジメント
期待しない
深く関わらない
仕事は淡々と回す
■ 人的資本:最大のレバレッジ
資本主義で最も重要なのは、
結局、自分の体とメンタルだ。
私が最重要と考える項目
体重管理(最優先)
血流改善
逆流性食道炎の改善
見た目改善
メンタル安定
ほうれい線をなくしたい(切実)
美白
これらは全部つながっている。
具体策
毎日のウォーキング
筋トレ
食事制限(最重要★★)
読書による情報アップデート★★★
体が崩れた瞬間、
すべての資本が一気に毀損する。
■ 社会資本:逃げられない現実
人は一人では生きられない。
家族は最重要(★)
会社は必要悪
社会との接点は避けられない
だから私は、
会社とは「深く関わらず、回す」関係を選ぶ。
感情を使わない。
正義を振りかざさない。
距離感を保つ。
■ 石川直樹という生き方
写真家・登山家の石川直樹は、
常に新しいチャレンジをしている。
それは
人的資本を最大限レバレッジしている生き方だ。
正直、普通の人には無理だ。
だから私は、
ルーティンを最優先
体調を安定させ
チャンスが来たら、迷わず飛び乗る
という折衷案を取る。
■ この章の結論
社畜が資本主義で生き残る道は、
派手な成功ではない。
キャッシュフローで守り
法人化で被弾を減らし
サラリーを武器にし
人的資本を最優先で守る
資本主義は、才能の勝負ではない。
消耗しなかった人間が最後に残るゲームだ。
私は今日も辞めない。
その代わり、生き延びる。
第4章 解説キオクシアはなぜ「10倍株」になれたのか――資本主義で億り人が生まれる“再現可能な条件”
まず、はっきりさせておきます。
キオクシアは「運が良かった会社」ではない。
資本主義の勝ちパターンを、すべて踏み抜いた会社だ。
① テーマ × タイミングが完璧だった
キオクシアの本質はシンプルです。
NAND型フラッシュメモリー
AIデータセンター需要
長期契約・前払い
これは
「一時的なAIバブル」ではなく、
構造的な需要増です。
生成AIは
計算(GPU)
記憶(メモリー)
この「記憶側」**を担うのがNAND。
つまりキオクシアは
👉 AIの“裏方インフラ”を独占的に握った
② 業績の“非連続ジャンプ”
10倍株の条件はひとつ。
利益が「直線」ではなく「段差」で伸びること
キオクシアはここが異常です。
市場予想:純利益 1,680億円
会社予想:中間値 3,370億円(17倍)
これはもう
「改善」ではなく
“別会社レベルの変化”。
株価は未来を織り込みますが、
市場が想定していなかった未来が出た瞬間、
株価は跳ねます。
③ 財務が一気に軽くなった
10倍株に必要なのは
「成長」+「財務改善」。
キオクシアはここも完璧でした。
ネットD/Eレシオ
1.3倍 → 0.8倍
優先株3,300億円を買い戻し
実質「配当可能体質」に転換
つまり、
「稼げる」+「返せる」+「配れる」
この3点が同時に揃った。
④ 市場の誤解があった
キオクシアは長らく
「メモリー=市況産業=不安定」
と見られていました。
しかし現実は、
設備投資は抑制
NAND需給は逼迫
売り手優位の価格交渉
市場の思い込みが外れた瞬間、
評価は10倍になった。
では「次の10倍株」はどう探すか?
結論から言います。
キオクシア型10倍株は、
すでに“条件”で探せる。
🔑 10倍株の必須条件(再現モデル)
巨大テーマの裏側
AI / 半導体 / 電力 / データ / 医療
供給制約がある
設備を増やせない
業績が段差的に伸びる
財務が急改善している
まだPERが高く見える
次の10倍株候補(現実的ライン)
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
候補① ソニーグループ
理由
イメージセンサー=AIの「目」
EV・スマホ・AIカメラ全対応
一時的な調整で評価が剥落
👉 「地味にAIを独占している企業」
候補② キーエンス
理由
AI×FA×省人化
利益率50%超の化け物
日本発の“インフラ企業”
👉 株価は高いが、
「高い理由がある銘柄」
候補③ メタプラネット
理由
日本版MicroStrategy
ビットコイン連動型
ボラは高いが夢も最大
👉 非合理だが、資本主義的には正しい
候補④ キオクシアホールディングス(第2幕)
重要なことを言います。
10倍株は「1回で終わらない」
配当開始
株主還元方針
インデックス組み入れ
ここで
**“もう一段の評価替え”**が起きる可能性は高い。
最後に(この章の結論)
資本主義で億り人になる方法は、
努力ではなく「構造」に賭けることだ。
流行ではなく、供給制約
夢ではなく、財務
希望ではなく、数字
キオクシアは偶然ではない。
再現可能な勝ちパターンだった。
次は、
あなたがそのパターンに
どれだけ早く気づけるかだけです。
第5章 先に金をつくれ。自由はその「あと」にしか来ない――石川直樹と矢沢永吉が、同じ場所で交差する理由
世界中の山を登り続ける登山家、石川直樹。
エベレスト、K2、極地、僻地。
人類の活動圏の外側に、彼は何度も身を置いてきた。
だが、ここで一つの現実を直視しなければならない。
登山は、自由そうに見えて、極めて資本主義的な行為だ。
遠征費、装備費、現地スタッフ、移動費、撮影機材、保険。
どれも安くはない。
命を懸けて「野生のスイッチ」を入れるためには、
その前段として、圧倒的に現実的な「金」が要る。
石川直樹は、夢だけで山に登っているわけではない。
写真、出版、講演、仕事としての登山。
つまり彼は、
自由をやるために、先に経済を成立させた人間だ。
一方で、もう一人。
日本資本主義のど真ん中で、金と地獄を見た男がいる。
矢沢永吉。
若くして成功し、
仲間に裏切られ、
数十億円規模の借金を背負った。
そこから彼は、逃げなかった。
働き、歌い、稼ぎ、
借金をすべて返した。
その経験から生まれた言葉が、これだ。
「お金を手に入れてはじめて、
お金がすべてじゃなかったって言えるんだよ」
この言葉は、きれいごとではない。
金を持たない人間が言うと、ただの自己正当化になる。
だが、
・借金を背負い
・金に縛られ
・金を返し切った人間が言うと、
それは真実になる。
自由を語る資格は、インカムゲインの向こう側にある
ここで、この章の結論をはっきり書く。
やりたいことの前に、生活できるインカムゲインを確立しろ。
これは冷たい現実論ではない。
自由への最短ルートだ。
登山をしたい
創作をしたい
旅をしたい
何者かになりたい
それらはすべて正しい。
だが、
毎月の生活費を稼ぐ不安を抱えたままの自由は、
自由ではなく「逃避」になる。
なぜインカムゲインが先なのか
理由は3つしかない。
① 判断が歪まなくなる
金がないと、人は「やりたいこと」ではなく
「今すぐ金になること」を選び続ける。
それは人生の主導権を、
常に誰かに渡している状態だ。
② 心が消耗しない
生活費が自動的に入ってくるだけで、
脳のリソースは劇的に回復する。
思考、集中、創造性。
すべてが戻る。
③ 続けられる
夢は、続けた人間だけが形にできる。
インカムゲインは「継続装置」だ。
石川直樹と矢沢永吉は、同じ地点にいる
一見、まったく違う人生に見える。
山を登る人
ステージに立つ人
だが本質は同じだ。
先に現実を成立させ、
その上で自由を取りに行った。
だからこそ彼らは、
金に飲み込まれず
金を否定もせず
金を「道具」として使えた
資本主義社会での最適解
最後に、この本全体を貫く一文を置く。
資本主義で自由になりたいなら、
まず資本主義に勝て。
インカムゲインは目的ではない。
スタート地点だ。
そこに立って、はじめて、
山に行くか
創作するか
何もしないか
を、自分で選べる。
次にやるべきことは明確だ
「何をやりたいか」を考える前に、
「生活を自動で支える仕組み」をつくること。
自由は、
準備した人間にだけ訪れる。
終わり


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