第1章 AIロボティクスに何が起きたのか――暴落の全体像と市場心理
AIロボティクス(247A)は、2025年9月中間期決算で
営業利益・経常利益・当期利益が軒並み40%超の減益となり、
市場コンセンサスと乖離したタイミングで暴落した。
■市場が驚いたポイント
売上高:+89.7%の成長
しかし利益:▲42.7%〜▲41.7%の急減益
営業利益率の急低下(6.7% → 2.4%近辺)
この“売上だけは伸びているのに利益が激減する”構造は、市場が最も嫌う。
特に以下の心理が働き、株価は加速度的に下落する。
■投資家心理
- 「成長株なのに利益が落ちた」というショック
- アルゴリズムが決算数値に反応 → 自動売り連鎖
- 個人投資家の狼狽売りが重なる
- 上昇トレンドの信用勢が一斉に投げる
株価は短期間で1,900円台から1,600円台へ急落した。
だが、これは企業価値の破壊というより、
**「期待との乖離による急落」**にすぎない。
第2章 決算ミスの構造――なぜ売上は伸びているのに利益が激減したのか
AIロボティクスの決算を見ると、減益の本質は3つに分解できる。
◆① 投資先行型のコスト増
AIロボティクスは2024〜25年にかけて
新規開発の拡大
エンジニア採用
サービス基盤の強化
に積極投資していた。
これは成長企業の典型的な構造だが、
投資が利益を圧迫し、一時的な利益縮小に見える。
◆② 研究開発費の増加
AI系企業は特に以下の費用が重くのしかかる:
AI推論用GPUの調達コスト
モデル開発費
サーバー運営費
人材コスト(AIエンジニアの給与高騰)
今期はこのR&D比率が急上昇していた。
◆③ 顧客単価の調整(企業向けAI導入の初期割引)
法人向けAI導入支援サービスは、ランディング時に利益率が低くなりがち。
とくに
大型受注 → 初期コスト増 → 利益圧迫
という構造がある。
市場はこれを嫌った。
しかし、これは
本質的には長期価値につながる“良いコスト”
でもある。
第3章 AIロボティクスの本当の価値――財務・事業・成長性から見た実力
暴落=企業の終わりではない。
むしろ投資家は数字を細かく見ていない。
ここでは、AIロボティクスの“本質価値”を分析する。
◆① 売上高の成長率(+89.7%)は驚異的
利益は落ちたが、
売上は前年同期比 +89.7%
これは普通の企業ではまず出せない成長率。
AI需要が本物である証拠。
◆② 粗利率は高水準を維持
AI関連企業の価値は
「粗利率」に最も現れる。
粗利率が高いということは
スケールした時に利益が跳ねる
一度の投資で大きなリターンが得られる
構造がある。
短期利益より“粗利の高さ”こそ未来の利益。
◆③ EPS急落は一時的
1株益(EPS)は
17.29円 → 7.95円
これは市場が最も恐れる指標だが、
R&D費の偏りが大きく、来期の反転余地は大きい。
◆④ 2026年3月期予想は大幅増益
売上:10,542 → 28,000(+97.1%)
利益:468 → 3,330(+95.5%)
会社側は翌期にV字回復を見込んでいる。
市場は短期的な数字だけ見て慌てているが、
本来はこの強気予想こそ評価すべき。
第4章 “暴落は買い時か?”を科学的に判定する――プロの視点での需給とチャート分析
AIロボティクスのチャートには、
“暴落後の反転初期”の特徴が明確に現れている。
◆① 75日線タッチでの反応
日足を見ると、
75日移動平均線付近で下げ渋り
これは典型的な押し目のサイン。
◆② 出来高急増 → 急減は“底シグナル”
暴落初日に出来高が爆発し、
翌日から急減している。
これは
「投げ売りがほぼ終わった」
という市場シグナル。
◆③ 長期チャートでは綺麗な右肩上がり
月足を見ると、
2023〜2024年の初動から
“中期上昇トレンド”を維持している。
暴落はあるが、上昇基調は崩れていない。
◆④ 機関投資家の買い戻しが入りやすい位置
AIロボティクスは浮動株が少なく、
需給ショートが起きやすい銘柄。
暴落で売りが枯れた後、
小さな買いでも反発しやすい構造がある。
第5章 未来の“買い時”はここだ――AIロボティクスの戦略的エントリーライン**
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
最後に、
AIロボティクスが“買い時になる条件”を
プロ視点でまとめる。
■① 初動急落の翌日から5日間
最も勝率が高いのは:
「暴落翌日の反発確認 → 5日間の横ばい」を待つ戦略
理由:
投げ売りが枯れる
信用勢の撤退が終わる
アルゴリズムが下落方向から手を引く
新規売りが入りにくい
横ばい確認後の陽線は、成功投資家の“鉄板エントリー”。
■② 75日線〜100日線を割れない場合は強気
このラインをキープする限り、
「中期上昇の押し目」とみなす。
■③ 決算ミスはむしろ最高の買い場
金融の世界ではこう言われる:
“良い企業の悪決算は、最高の買い場。”
今回は
不祥事
粉飾
財務危機
ではない。
成長企業の“投資負担による減益”は再現性の高い反転ポイント。
■④ 来期の予想が強気=機関投資家は買いやすい
会社自身が来期の大幅増益を出しているため、
機関投資家は
「今期の数字は調整、来期の利益で評価」
のロジックになる。
すると、株価は予想EPSを先取りして動き出す。
■⑤ 最終結論:
**AIロボティクスは“中長期成長企業の一時的な決算ショック”。
暴落=買い時の典型パターン。**
暴落要因は一時的。
本業は伸びている。
来期は増益予想。
チャートは長期右肩上がり。
需給はむしろ改善。
これは
「恐怖で売られた優良成長株」= 買い場の黄金パターン。【了



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